風の日も雨の日も
雨音が屋根を打つ
ここ何日かの強風は去り
寒さと雨が残った
昼と夕方の区別もつかないまま
いちにちの終わりへと向かってゆく
なんだか眠い
「春眠暁を覚えず」
とは言ったものだ
おそらくこれはぬくぬくのポカポカの
ひだまりのことだと想定されるのだが
こう日のでない、暁のでない日が続くと
それはまたそれで春眠に入ってしまう気がする
桜が花を落として葉の萌え始めと同時に
日が顔を出さなくなった
千年木から絶えず雫が落ちる
元々一日晴れなんて意外とないのだ
年中やってくる雨
風も止まない
それでもいろんな事象が重なり合って
一回たりとも同じものにはなっていない
と思っている
それは受け取る側の心持ちも自然を感じる時に
排除しきれぬ大事な要素としてあるから
もしかしたら気温、気圧、湿度… が全く同じ日が
巡ってきたとしても
自分は生まれてから何日の体で感覚で場所はどこで
何をしている時に感じたものなのか、は同じものでは
取り得ない
そう思うとどんな日も風を感じに行きたくなる
太陽を感じに行きたくなる
雨を体に浴びたくなる
カエルは鳴いてるのか確かめに行きたくなる
やっぱりいちにちとして同じ日はないんじゃないかな
面白いなぁ
外に無理に出る必要もない
外に出るのに理由も必要ない
少し窓を開けてみる、靴を履いてみる
ただぷらぷら体で感じるだけで素敵な時間はやってくる