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ハイビスカス
朝 手持ち花火のように しずかな ハイビスカス
昼 今日を示し合わせたように開花する
辺り見渡す限り赤く染まる
しっとりと白いもやの中で微笑む
黒に近い赤、さっぱりした赤、ピンクのハイビスカス
フリフリ、大きく中身まで開いてる、小ぶり、
霧の中でみる花は異空間へと誘う
こっちへおいでと手招きする
行っちゃだめと思いながらも引き寄せられ
手が届きそうで届かない
近づいてるはずなのに辿り着けない
ハイビスカスに夢中で霧のかなの入り口へ
気づかぬうちに迷い込む
夜 燃え尽きた花火、花弁を閉じて下を向く