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虫の声
虫の声が変わった
どう変わったのかなぁ
んー、しんしんと夜を彩っていた虫たち
静けさと緊張感 清々しさと夜を休息の時と
思わせる柔らかい優しさ
に包まれ癒しと共に床についた
今宵、宵の虫は
はつらつとしていた
騒がしいわけではない
今までにない強さがあった
逞しかった
声量が増したの、だろうか
数が増えたの、だろうか
しっとり空気で音が違って聞こえたの、だろうか
はたまた、ただただ我が心地の違いなの、だろうか
気持ちや体調もいちにちとして同じものはない
安定しているように見えて日々、瞬間瞬間
変わっている
そして自然も常に変わっている
同じ瞬間はあったとしても同じ24時間は訪れない
この変わる二つが混ざり合う時
唯一の瞬間が作られる
この気持ちでこの瞬間の自然に触れられる
のはうちゅうの奇跡の瞬間
そしてそれが積み重なって今があり、1秒後がある
つまらないと思うことができない
奇蹟の瞬間を残したいと思う気持ちが膨らみ
涙腺を押し上げた




