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春日
十数階建てビルの上から2番目の部屋の明かりが
漏れている
オレンジ色の室内灯
太陽の前が時々明るくぼんやりと浮かび上がる
雲を文字通り光らせている
晴れとは言えない空
白い雲と淡墨色の雲がベルトコンベアで運ばれ
動きの速さに急いでいるような印象を受ける
なんだか辺りがぼやんとしていて夢の続きにいるようだ
さっぱりと晴れることがなく曇りの日が続いている
水蒸気を含んだ風は
ミストのように心地が良い
だが、晴れ渡るスッキリ感がないのが口惜しく
それも合間って動こう!とならず、だらだらと
横這いになる