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ガジュマルの木をみる散歩
鱗の上を歩いている
雨に濡れた地面を照らすライト
揺れるたびにキラキラと輝き光り魚の上を歩いているようだ
春の雨
春雨
なのだろうか
カエルが思い出したように鳴き出した
カロロロカロロロ
呼応するように
ゲロロロ ゲロロロ
と遠くの森から聞こえる
カロロロ ゲロロロ がロロロ ゲロロロ
止んだ
木の葉を打つ雨の音と夜の虫の音がする
ばしっ
枝が折れた
遠くの蛙だけがゲロロロと鳴いている
誰もいないはずの木と木の間に気配を感じた
怖くなって見るが闇があるだけ
風が出てきた
ぼしゃぼしゃ
雨が塊になって落ちた
なんだかざわざわしている
さっきまでの静寂を破って
ふさっ
コウモリが木を移る
雨音が大きくなってきた
降り出しそうだ
歩き出そう
ガジュマルとガジュマルの間へ




