いちにちとして同じ日はないので

梅の花

黒っぽい枝に紅色の花が咲きだした

蕾が木の枝からニョキっと顔を出している姿は不可思議だ

どうやって出てきたのか

何もなかった黒茶の枝からはいつのまにか米型の花のもとが芽生えている

年の瀬に落ち切った葉が赤黄色の絨毯を作った

肌寂しく感じていた枝は後ろのコンクリートをより強調させた

それが風に舞い絨毯が薄くなってきた今日この頃

灰色の空に黒々しい梅の木が存在感を増して見え

その枝先に人差し指先の第一関節くらいの紅色が世界を照らしていた