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海景
船から飛び降りる
頬を細かい泡が撫でる
足が地面に届かないことを
目で捉えて初めて実感した
一瞬気が遠くなる
こぼっ
シュノーケルの口で息する部分が音を立てる
鼻で息出来ないことがパニックを再誘発した
パニックを鎮めてくれたのは
足下に広がるさんごのゆらめきだった
茶色のゆらゆらの中に白っぽいものや
青、オレンジのさんごが点在している
鮮かで目を引く
巨大なきのこ型の白いさんご
なんだこりゃ
クラゲのようにも見える
さんごと一言で言っても種類は数百以上ある
海は不思議に溢れてる
そして危険に打ち勝つ好奇心で
人は海へと向かってゆく