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SAVE.300:始まりでも終わりでもなく

 柔らかな風に頬を撫でられ、ゆっくりと瞼を上げる。そこで気づく、自分が居眠りをしていた事に。


「お目覚めですか、アキト殿下」

「すまない、少し寝ていたようだ」


 いつ眠ったのかは覚えていないが、それでもここがどこかはわかる。ここはヴァーミリオン家が所有するアスフェリア東端の別荘だ。ここで俺は社交界への登壇に先んじて貴族に顔を売っていたという訳だ。


「無理もありませんね、来客が多すぎます」

「でも会わなければならないのだろう?」


 肩を竦めて答えれば、ジョージが微笑みを漏らした。聡い子供は嫌われるのが世の常だが、この男には違うらしい。


「欠伸とは珍しいですね」

「ああ……夢を見ていた気がするんだ」


 遠い世界の儚い夢を見ていたような気がしたけれど。


「いい夢でしたか?」

「覚えていないさ」


 何も知らない、何も覚えていない――だからそれは、大切な事じゃなかったんだ。


「さて、ジョージ」


 立ち上がり木陰を出て、背の高い家令を見上げて微笑んだ。


 夢を見るのはもう終わりだ、これからは仕事の時間だ。




「次は誰に会えば良いんだ?」




 だって俺はエルディニア王国の王太子――アキト=E=ヴァーミリオンなのだから。

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