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中学時代に書いた小説をリメイク、という試み

二人と一匹の冒険 ―キズナとアカシ―

作者: 桜橋あかね

中学の頃位に書いた小説ノートを発見しまして。

今の自分風に書き替えてみました。


それでは、どうぞ。

ここは、ネネシー村。

その村には、隣同士に住んでいる、女の子のアシュレンと男の子のマルダという子供が居ました。


ある日の朝、マルダはいつもの日課でポストを見ました。

そこに、一通の手紙が入っていました。


マルダにとっては、少し読みにくい文字が書かれていました。

頑張って読むと、住所は『マナダ島』、あて名は『マナダ村の村長』と書いてありました。


「マルダ、おはよう。」

ちょうど、アシュレンが声をかけました。


「アシュレン!ちょうど良かった。」

マルダは、アシュレンにも手紙を見せました。


「中は読んだの?」

アシュレンは、そう聞きます。


「まだ、読んでいないんだ。」


「じゃあ、一緒に読んでみましょ?」


二人は、手紙を読んでみました。


『アシュレンさんに、マルダさん。私はマナダ村の村長です。

二人に手紙を書いたのは、とあるアジトに行って欲しいからです。

この頃、村民が次々と居なくなる、不可思議な事が起きています。

そこで、二人に行ってきて欲しいとお願いしたいのです。

詳しいお話は、わたくしの家に来て頂いてから話します。』


と書かれていた。


「……人助け、しようよ!」

と、アシュレンは言います。


「じゃあ、行ってみよう!」


二人は支度をして、家を出ました。


▪▪▪


マナダ村があるマナダ島は、ネネシー村がある島の近くにあり、二人はよく遊びに行っていました。

近くと言っても距離はかなりあり、自転車を使って橋道を通ると3時間掛かる場所です。


今日は、自転車も入れるバスに乗って向かいます。


『次は、マナダ村。マナダ村。』

案内が入ったので、二人は降りました。


バス停から、村長さんの家へ地図を頼りに向かいます。


「朱色の家、発見!」

すぐ、見つかりました。


家の前に自転車を置き、家のベルを鳴らします。


「どなたかな。」

ドアの向こうで、声がしました。


「マナダ村のマルダです。」

「アシュレンです。」

二人がそう言うと、ドアが開きました。


「おお!よく来てくれました!」

赤いスーツを着た、村長さんが出迎えてくれました。


大きな部屋に入りました。

テーブルに、三人は座ります。


「あの、村長さん。わたし達にアジトへ行って欲しい、とは?」

アシュレンが、聞きました。


「それはですね。数日前に、謎のマントを着た人がこの村にやって来たんです。目的は分かりません……1時間も経たないうちに、その人は居なくなったと村民から聞いたのですが、それから村民が一人ずつ姿を消しました。」


「マ、マント?」

と、マルダは言いました。


「何か、心当たりがあるの?マルダ。」

アシュレンが小声で、マルダに聞きます。


「なんかね、ここ最近夢で見かけるんだ、マント姿の人。」

そう、マルダは返します。


「……とりあえず、時間はありません。この先は危ないので、二人には武器をお渡しします。」


村長は、テーブルの下から箱を取り出すと、その中にはベルトと小さなチップがありました。


「ベルトを着けて、チップを真ん中に入れてください。」


二人は言われたようにすると、目の前に剣が現れました。


「これ、凄い……何の技術だろう!」

アシュレンが目をキラキラさせて言いました。


「カッコいい……」

マルダも、そう言いました。


「……あ、あの!村長さん。」


部屋の奥から、声がしました。

そこには、モコモコっとした獣耳が特徴の小さな子が居ました。


「スナミ、どうしたんだ。」

村長さんが、聞きます。


「ぼくも、アジトに行かせてください!二人の役に立ちたいです。」

スナミと呼ばれた子が、そう言いました。


「……そうか。じゃあ、一緒に行くといい。」

スナミにも、例の武器を持たせました。


「じゃあ、行ってきます。」

マナダは、そう言いました。


「……頼んだぞ。」


▪▪▪


三人は、村長さんの家を出ました。

スナミは、アシュレンの自転車のカゴに入れて貰いました。


「ねえ、スナミ。」


「なに?アシュレンさん。」


「スナミって、どうして村長さんの所に住んでいるの?」


「ぼくはね、色んな場所を船で旅するミリリィ族なんだ。……でね、家族と一緒に船で旅をしていた時に嵐に会ってバラバラになっちゃったんだ。」

と、スナミが悲しそうな顔をして言いました。


「それで、スナミはマナダ島に行き着いたのね。……ごめん、嫌な思い出だったよね。」

アシュレンがそう言うと、スナミは首を横に降った。


「気にしないで、アシュレンさん。……もう、ぼくは一人なんかじゃないから。」


「アシュレン、スナミ!」

マルダが、呼び掛けます。


「どうしたの、マルダ。」


「お昼にしようよ。」


懐中時計を見ると、12時を過ぎていました。


「そうだね。ご飯を食べようか。」


近くに小さな公園があったので、そこでお昼を食べました。


「今、居るのはどこだろう。」

地図を見ながら、マルダは言います。


「地図をかして、マルダ。」

スナミが、言います。


「………と、ここだ!」

『シャンララ公園』という場所を、スナミが指を差します。

バッテンが付いてある、アジトはすぐ近くのようです。


「じゃあ、行こっか!」

また、自転車に乗って出発をしました。


▪▪▪


数分で、アジトに着きました。

どうやら、空き家のよう。


「な、中へ入ってみよう。」

アシュレンがそう言います。


「そうだね。」


恐る恐る、中へ入るとマント姿の人が居ました。


「あの人……」

とマルダが言った時、アシュレンの悲鳴が聞こえました。


「助けてっ!」


マルダとスナミが振り返ると、アシュレンがロープで吊るされていました。


「アシュレンを降ろせ!」

マルダが、マント姿の人に言います。


「……それは、どうしてかな?」

静かに、そう問います。


「アシュレンは……大切な友達だから!絶対に、許さない!」


「マルダさんの言う通りだよ!」


「だ、だまれ……っ!」

と、マント姿の人はスナミもロープに巻いて吊るします。


「スナミっ!ど、どうすれば良いんだろう……」


「マルダさん!落ち着いて。相手に向かって、武器を!」

スナミが、そう伝える。


「……いざ、覚悟!」


マルダは、マント姿の人に向かって剣を振りかざすと、一発で当ててその人は倒れました。

魔法だったのか、その人が倒れると二人が巻かれていたロープは消え去り、無事でした。


「……あれ、村人は?」

アシュレンは疑問に思います。

誰一人村人は居なかったのです。


三人は、倒れたマント姿の人に駆け寄りました。

そして、マルダはその人を抱えました。


「すまん、マルダ。」


「……っ!?どうして、ぼくの名前を?」


マントのフードを取ると、顔はマルダにそっくりでした。


「実はな、オレは……マルダの兄、ラルンなんだ。」


「「ええ~っ!?」」

三人は驚きました。


「オレは、マルダが生まれた頃に病気で亡くなったんだ。……でな、一目でも良いから、マルダ。お前に会いたかった。」


「夢に現れてたのも、そうだったの?」

マルダが聞くと、ラルンは頷いた。


「天界の主と、マナダ村の村長に頼んでな。マルダと、アシュレンのキズナも試したかったのさ。……でも、もう時間だ。アシュレン、スナミと言ったな。弟を、どうか頼む。」


二人は、涙を浮かべながら頷く。


「そして、だ。マルダ。」


「……なに、兄ちゃん。」


「これから先、大きな壁……試練がある。それに、立ち向かっていけ。……強く、負けない人間になれ……」


その言葉を最期に、ラルンは消えてしまった。


「……に、兄ちゃん……」


▪▪▪


三人はアジトを去って、村長さんの家へ戻りました。


「……戻りましたか。ラルン殿に会えたのですね。少しばかり、嘘をついてしまってすまなかったな。」

村長さんが、そう言いました。


「いいえ。……本当の事が知れて、良かったです。」

マルダは、言いました。


「わたし達は、ラルンさんの分まで生きると決めましたから!」

と、アシュレン。


「うん!ボクもそう思う!」

スナミも言います。


「そうか。それなら、ラルン殿も喜んでいるな。」


▪▪▪


それからのお話。

マルダ、アシュレン、スナミ。


三人で幸せに暮らしているそうな。

読んで頂き、ありがとうございました。

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