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最期の連合艦隊 3-6

「あと3隻居るはずだ!付近に敵艦は!?」

「視認できません!」

「こちらも敵影なし!!」

 

 ――あと3隻。隊列が乱れたかといっても、そう遠くまで離れることはない。占守島まであと少しだというのに。ここで時間を使いすぎるわけには……。

 

 艦橋の誰もが現状に焦りを感じていた。それは、艦長以下全乗組員が占守島を救いたいと思うからにほかならず、だからこそ、その焦りは時間を追うごとに増していく。

 宇久奈たちは知ることができないことだが、先ほど撃沈したのは片岡湾攻略を任せられた分艦隊の旗艦“レチーヴイ”である。グネフヌイ級駆逐艦の1隻で、基準排水量は約1,600トンと、響とそう違いはない。

 不幸だったのは、響の初弾が艦橋に着弾した事だ。着弾により発生した火災が艦橋の目の前にある速射砲の弾薬に引火し、誘爆を起こした。それによる黒煙がより一層集中砲火を浴びる原因となり、轟沈したのだ。


「探照灯をつかえ!既にこちらの存在も気づかれている!」

 指揮官が全滅した分艦隊と違い、宇久奈は命令を出す。それと同時に強烈な光線が辺りを照らし始める。

 探照灯が原因で集中砲火を受ける可能性は高く、事実過去の海戦で探照灯を点灯した艦が海の底へ沈められていた。探照灯は諸刃の剣と言える物だ。

 

 まだ響が敵艦を捕えられない中、しかし状況は突然変わる事となる。敵艦隊は想定外の方法で見つかることになったのだ。


「艦長!笠戸から緊急入電!“我、敵艦と衝突。機関故障、航行不能……。敵艦3隻視認、これより白兵戦に移る。”以上です!」

「なっ……!」

 

 この濃霧で衝突は決してあり得ない話ではなかった。笠戸は現在のひし形隊形の北側に位置し、響の後方左舷側で航行しているはずだった。しかし、3隻の海防艦は艦隊行動の経験がない。本来あるべき隊形の位置より、かなり北側へ流されていたのだ。だからこそ、カノン砲による砲撃を避け侵攻ルートを大幅に北上してしまった分艦隊と会敵してしまったのだ。


 海防艦“笠戸”は航行不能な状態まで損害を受けたが、もたらされた敵艦3隻発見の報は、損失に余りあるほどの戦果だった。

「敵3隻の撃沈後、我々は占守島の仲間を助けに行く。左舷砲雷撃戦用意!」

 笠戸からの報告で、敵艦隊の位置は確認できた。

 響が進路を敵艦隊へ向け、ほか2隻の海防艦が響の後方に位置するように位置を変える。響を先頭に縦一列に並ぶ陣形、単縦陣を行おうとしているのだ。

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