表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/168

メリリッサ~私の素敵なお人形~

 本当はミヨが欲しかった。


 あの娘は見た目が少し田舎くさいくせに、妙にファッションに詳しかったから。

 一度、化粧とドレスの支度を任せてみたら、些細な違いのはずなのに、他の侍女の誰よりも洗練された出来だった。


 あれなら私のために役に立つと、ガランドーダへ連れて行ってあげようと思ったのに、何故かしらいつの間にかリリコットの側に付いていた。

 なんていう、要領の悪さかしら?

 だったら、いらないと思って忘れることにした。


 それから、ハンナも、まあ欲しかった方だ。


 あの娘は私たちの乳姉妹だから、何をしても言うことを聞く。

 小さな頃、リリコットに川でたっぷりと遊んでもらおうと思って、ちょっとだけ後押ししてあげたことがあった。

 思いのほか川の流れが早くて、それでも流されまいとリリコットが必死で木の枝を掴んでいた時も、助けてはダメよといえば、泣きそうな顔で堪えていた。

 あの姿はとても面白かったから、今でも何度も思い出しては楽しんでいる。

 せっかくそうやって可愛がって上げたのに、やっぱり付いてこなかった。


 仕方がないわ。ハンナの姉であるカーラがどうしても私に付いてきたいと頼み込んできたのだから、さすがに姉妹ともこちらに付けてしまうのは、リリコットが可哀想だ。

 私も姉として心苦しいから、ハンナくらいは譲ってあげるの。


 あとは……そうね、赤い髪の、何だったかしら?護衛騎士がいたわね。

 私はあんな無口な男はどうでもよかったのだけれど、ロックス様が、あれはいいなと言って、連れていく気になっていたけれどもついて来なかった。

 まあ、どうでもいいことだわ。


 それよりも、そんなことよりも、本当に私が欲しかったのは、そんなものじゃなかった。

 唯一で、他には代わりのない、私のとても大事なもの。

 でも、どうしても一緒に連れていくことは出来ないと、泣く泣く諦めたのだ。


 私もこの春に18になった。もう、お人形遊びをする年ではない。


 だから、さようなら、リリコット。


 とても愛していたけれど、貴女だけは一緒に連れて行くわけにはいかないわ。

 これからは、私が貴女になるのだから許してね。


 私の可愛いくて素敵なお人形、最後まで壊れなかったのは貴女だけだったわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ