褐色巨乳の後輩と接吻
はじめまして。趣味全開で書いてます。
イン紋っていいと思います。
最初なので長くなってます(次話以降は約3分の1)。
二人しかいない屋外の鍛練場を、褐色の少女が白銀色の髪を靡かせながら圧倒的な速度で跳び回る。
華奢な手足と、それに釣り合わない大きな胸。一見すると運動にはとても向いていないように見えるその体に反して、動きは猫科の魔獣のように機敏だ。それもそのはず、彼女はダークエルフの中でも天才と呼ばれた元狩人であり、かつては王国東部に広がる森を駆け巡り多くの凶暴な魔獣を狩っていたらしい。
「速さ勝負では敵わないな。俺も遅くは無いはずなんだが」
私がそう言った直後、それまで私を中心に円を描くように飛び跳ねていた彼女が一瞬で距離を詰め、横薙ぎの斬撃を放ってきた。
手にした木剣に魔力を込めでそれを受け止めると、ガンッという衝撃音と共に光が弾け散る。その衝撃に体が一歩分横にずれ、木剣を持つ手が痺れた。何という威力だろう。一見15、6歳程度に見えるこの少女の細腕からどうしてこのような膂力を発揮できるのか不思議だ。
-ーきっとあれだ、爆乳が遠心力を生んで剣の威力が増しているのだ。間違いない!
などと馬鹿なことを考えつつも、私は一歩を踏み出し更に距離を詰める。速さで上回る相手に自由に跳び回らせては不利だ。距離を潰して密着した方が良い。
しかし私の狙いを読んでいた彼女は地面を蹴り、一瞬で距離を空けてまた円の運動を始めた。
「今日は随分気合いが入っているな、スー?」
「……行きます」
私の言葉に一言だけ返すと彼女、スーは再び距離を詰めてきた。今度は上段の打ち下ろしだ。その斬撃は速く鋭く、体捌きで躱す余裕が無いため私は再び魔力を込めた木剣で防いだ。再度の衝撃を予想して身構えていたが、その受け止めた剣は軽い、というより全く重さが無い。
「ッ、しまっ」
しまった、と言おうとした時には、彼女は木剣を手放したその両手で私の両足を刈り取っていた。
「がはっ!」
背中から芝生の上に叩きつけられた衝撃で肺から空気が吐き出された。完璧なタイミングで仕掛けられた奇襲に意表を突かれる形になったが、すぐさま私も木剣を手放し、体を捻って起き上がろうとする。しかし…
--むにゅんっ
という柔らかい感触が私の顔面を襲った。何と、彼女は起き上がろうと体を捻った私の顔を、胸で抑え込んだのだ!
その圧倒的な大きさを誇る胸が、以前尋ねたところ「……98センチ、です」と顔を赤らめながら恥ずかしそうに教えてくれたその巨乳、いや爆乳が強く顔に押し付けられた。
しかも、しかもである。更に恐ろしいことに、激しい攻防で彼女の白い上衣が捲れ上がっており、更に灰色の下着もずれて中の果実が完全に露出している。つまり…
--その大きく柔らかいものが、直で、私の顔面を襲っているのだ!
なんと恐ろしい抑え込み技だろうか。身体的にも精神的にも脱出不可能だ。
私が硬直している間に、スーは私の体を跨いだ。私の胸にしっかりと体重をかけ、胴体を両膝で挟み込み、私の上体を固定する。私は上背があり男としても比較的がっちりした体格だが、彼女の押さえ込みが(胸も含めて)絶妙なため跳ね返せない。
そのまま彼女は私の首筋に手刀を押し当てた。
「……私の勝ち、です」
スーは勝ち誇るような声で言った。普段は非常に大人しい彼女がこんなに得意げになるのも珍しい。今の自分の上体の状態にも気付いていないようだ。私はこのままでは窒息しかねないため、何とか「降参だ」と伝えようとする。
「ふがふがっ、ふが!」
「っ、っひゃうぅぅっ」
私が顔を塞がれながら言葉にならない声を上げると、彼女は奇妙な声を発して私の頭部を開放し、自らの体を抱くようにして縮こまった。今更ながら自分の格好に気付いたのだろう。
息は吸えるようになったものの、折角の幸せな感触を失ってしまった。私がそれを残念に思っていると、スーは顔を真っ赤にしたまま下着と上衣を直し始めた。とても恥ずかしそうだが、相変わらず私の胸の上に跨り上体を制したままである。
着衣を整え終えると、彼女は赤い顔のまま私を真っ直ぐ見つめてきた。
「……グレン君、約束。私が勝ったら今日はなんでも言うことを聞いてくれるん、だよね?」
「ああ完敗だ。なんでも言ってくれ。あんまり無茶なことはなしだぞ?」
そう、これは賭け試合だった。お互い真剣味が増すよう、「負けた方は今日一日勝った方の言うことを聞く」という条件を出したのは私だ。若干スケベ心があったのは否定しない。
しかしその条件を口にした瞬間、スーの雰囲気が変わった。普段は本当におとなしい彼女が、まるで餓えた野獣のように襲い掛かってきたため気圧されてしまった。不覚である。
スーは私に跨ったまましばらくモジモジした後、口を開いた。
「……あの、…えっと…じゃあ、…まずは、キスしてほしい…です」
小さな声でそう言うと、真っ赤になって俯いてしまった。余程恥ずかしいのか、私の胸の上で腰をくねらせる。だが私はそんな彼女の様子を少し不思議に思った。なぜなら…
「キスって、いつもの魔力循環でやってるじゃないか。それでいいのか?」
そう、彼女と唇を合わせる行為は割と頻繁にやっている。魔力循環という行為の為だ。
魔力循環というのはその名の通り、二人の男女間でお互いの魔力を循環させることである。これは一般的には唇を合わせてお互いに口から魔力を送りあうことで行われる。
なぜこのようなことをするかと言えば、男と女では体内で作る魔力の質が大きく異なるためだ。男が作る魔力を「光の魔力」、女が作る魔力を「影の魔力」などと呼ばれている。魔力循環とは、この自分とは性質の異なる魔力を体内に受け入れることによって自らの魔力を活性化させる行為だ。これを行うことによって、僅かながら魔力が成長しやすくなる、回復が早くなるといった効果がある。
そのような理由から、唇を合わせること自体はいつもやっていることであり、それゆえの疑問だった。しかしスーは首を振る。
「……魔力循環としてじゃなくて、…えっと、ちゃんとキスしたい…です」
絶世の美少女(年齢的には私の一つ下の21歳なので美少女ではなく美女)にこのように言われては拒否など出来るはずがない。私は仰向けに寝たまま両手を伸ばし、自らの上に座る彼女を抱き寄せた。
「…あっ」
「まったく、可愛さで俺を悶え殺す気だな、スー?」
そんなことを言いながら強く抱きしめると、彼女もすぐに抱きしめ返して来た。大きな胸が今度は私の胸の上で潰れる。「ああ、お帰り」とついおっぱいに語り掛けてしまった。思えば彼女とも長い付き合いである。私が育てたと言っても過言ではない。
私の胸の中に納まった彼女は潤んだ瞳で私を見たのち、顎を上げてその瞳を閉じた。私はその唇に自らの唇を重ねる。
「…んっ」
スーが小さく息を漏らす。
触れ合うだけのキス。だが彼女の唇は薄い肉付きにも関わらず、恐ろしく柔らかく甘い。スーと出会って六年以上が経過し、その間幾度となく行われてきたことなのに、この感触は毎度必ず私の脳を溶かす。しかも今回は唇だけではなく全身が押し付けられている。私の腹の上に密着した彼女の腰や、私の胸に強く押し付けられ押し潰された豊満な乳房。先程まで激しく飛び回っていたため汗ばんでいるその体は柔らかいだけではなく甘い匂いも発している。いくら強靭な精神の持ち主(自称)である私と言えど、とても抗えるものではない。
いつもはここで口を経由して魔力を送り合うのだが、今回はそれをしない。本当に唇を合わせるだけのキスだ。なるほど、なぜスーが「魔力循環ではなくキス」とこだわったのか分かった。建前の無い純然たるキスは私をいつも以上に幸せな気分にする。彼女も今同じ気分を味わっているのだろうか。
しばらくお互いを味わったのち、私達は唇を離した。
「…っふぅ、魔力循環をしないただのキスっていうのも良いな」
「!、本当?…じゃあ、これからもしてくれる?」
「ああ、スーが良いのなら」
私が言うと、スーは「…うれしいっ」と言って頬を染めながらはにかんだ。
「……じゃあ、アイリやサリィさん達にも報告しないと」
「いやまてまて、なんで報告になるんだ?」
「…みんなとの取り決めで、「抜け駆けしてもいいけど情報共有する」っていうことになってるから」
「いやなんだその取り決め?初耳なんだが!?」
私の知らないうちに私に関する重要事項が女性陣の間で取り決められていたらしい。どうりで最近、誰かと混浴したりしても以前のように追及されなかったはずだ。
発覚した新事実に私が衝撃を受けていると、スーが顔を寄せてきた。
「……じゃあ、今度はいつも通りの、魔力循環…」
「ああ、それも結局やるんだな。いいけど」
私がそう言うと今度はスーの方から唇を重ねてきた。再び訪れる柔らかい感触に加えて、今度は合わせた口を通して暖かい何かが流れ込んでくる。スーが魔力を送ってきたのだ。
私はスーの魔力を体の奥底に受け入れる。そしてお返しに自分の魔力をスーに送り込んだ。
「……んっ」
私の魔力を受け取ったスーがピクリと体を震わせ、吐息を漏らす。彼女も私の魔力を体の中心に取り込んだのだろう。次の瞬間、私はスーと魂が繋がったことを感じた。
そう、魔力循環とはお互いの魂を繋げる行為である。自分の根幹を成す魔力に他者の魔力を混ぜ合わせるということは、相手の全てを受け入れるに等しい。その為、この魔力循環はお互いが「相手の何もかもを受け入れたい」と思っていなければ成功しない。
言ってみれば、魔力循環を行う二人は、そこら辺の夫婦より遥かに強い絆で結ばれているのである。そしてそれは魂だけではなく体にも現れる。
「……んぅ、…はぁ」
しばらく魔力を交換してスーが唇を離し体を起こすと、彼女の下腹部、臍の下辺りが淡く光っているのが分かった。そこにはまるで入れ墨のような、一見すると淫らにも見える紋様がある。
この紋様こそが、スーが私と魂で繋がり、私の魔力を受け入れるために体が造り変わった証だ。
--この紋様こそが婚姻紋、略してイン紋と呼ばれているものである。
魔力循環を行った相手によって形が異なるため、スーの下腹部にあるこの紋様はまさに私と彼女が深く繋がった証明というわけだ。一度これが刻まれると一生消えることはなく、更に女性の場合はこの婚姻紋がたった一つしか刻めないため、もう他の異性の魔力を受け入れることが出来ない。このような理由から、この紋様を刻むという行為は魔術的に見れば婚姻を結ぶのも同然、というわけで婚姻紋と名づけられたらしい。
「……魔力循環をすると、おなかが熱くなります」
スーは自らの婚姻紋を指でなぞりながらそう言うと、とても幸せそうに微笑んだ。
私は自分の左胸を撫でる。そこには幾つかの婚姻紋があり、その中の一つ、スーとの繋がりによって刻まれた紋様が熱を発していた。そう、男と女では婚姻紋を刻む場所も刻める数も異なるのだ。女性は先に述べた通り婚姻紋を刻んで魔力を受け入れられる相手は生涯で一人だけだが、男は複数の女と絆を結ぶことができる。
このことは一般に「魔術的一夫多妻」という言い方をされ、実社会においても多くの国で一夫多妻制が採用されている理由となっている。
「……どうかした?」
「いや、スーは俺としか婚姻紋を刻めないのに、俺は他にも刻んでいるからな。申し訳ないなと」
私がそう正直に言うと、スーは微笑みながら首を振る。
「……魔力循環は、強くなるためには必要なことだから。…それに、私はするならグレン君がいい。他の人じゃ嫌です。…それはアイリとか、他の娘たちも一緒だから、…だから、グレン君は気にしなくていいです」
スーはそこまで言うと一度言葉を切ってから、続けた。
「……だから、またキスしてくださいね?」
その笑顔は本当に美しく、幸せそうだった。
主人公は仕事上の立場の関係で真面目を装ってますが、中身はエロいです。
あと、現実に寝技のスパーリングをしても道着やTシャツが捲れてくんずほぐれつになりますが、相手は可愛い巨乳の女の子ではなく、大抵汗だくの男になります(体験談)。