設立1年目の苦しいチーム状況
活性化を目的に山梨の地に新しい球団が設立された。
戦力は、山梨周辺に在住もしくはプレーした選手と戦力外になった選手などをかき集めただけのチームなので結構弱い。
最初は社会人チームを相手に戦っていたがなかなか勝てず、「草野球レベルだ。弱すぎる。」と言った声が多かった。中には「出来たばかりだから負けてしまうのはしょうがない。」という擁護する声もあった。
しかし、選手内から「このままシーズンを迎えてもなかなか勝てず、ファンに負け試合ばかりを見せてしまうのではないか?その為にもなんとか勝てるようにしないと!」という不安を漏らす選手もちらほら居た。
結局、打開策は見つからずシーズンが開幕。
案の定、開幕戦は歴史的大敗となる、53-0で敗北。見事に抑えられてしまった。初回に四球で出塁があったが後続が凡退。その後(2回以降)も四球や安打による出塁はあったが結局、得点には繋がらなかった。試合後観客席から、メガホンなどを投げつけられたり選手に対して「勝てないなら、金返せ!」などといった野次が飛ばされたりと散々な結果に終わった。
翌日も得点できるようなチャンスもあった。ただ、前日とは違い監督が「塁に出たらとりあえず走る意思を見せ、プレッシャーを相手に掛けろ!」と言い、エンドランや盗塁など足を絡めた采配を行った。
それが功を奏したのか12-5で試合には敗れたものの拮抗した試合展開を見せた。
それからしばらくして、選手はそれぞれの力を発揮できるようになり4月中旬に念願の球団初勝利を飾ることが出来た。この勝利をきっかけに勝ち試合が徐々に増え、観客動員も僅かではあるが増え始めてきた。
そして5月中旬、打力強化のため独立リーグに在籍していた外国人選手を獲得した。新外国人の加入でより打線が強化されたように思える。しかし、まだ戦力的には強いとは言えず現在は連勝したり連敗したりとなかなか安定していなかった。順位も大きく引き離されリーグダントツの最下位を突っ走っている。
7月、オールスターゲームが開催されたがこのチームからは一人も選出されず、キャプテンが「誰一人、選出されず、しかもオールスター選考の圏内にも一人も入っていなかった。これはよくない(マズイ)のではないか?」と苦言を呈しチームの改善をあげた。
実際に前半戦終了時5月中旬以降も連勝・連敗を繰り返し6位のチームからも大きく離され、最下位を独走していた。
この結果にファンも「観にいった試合の殆どが負けている。まだ勝った所をみたことが無いので今年中に1度でもいいから勝ってもらいたい。」
シーズンも終盤となり、上位の球団は優勝争いとなっている中、新球団の山梨は大型連勝をしない限りは最下位脱出は困難となり、最下位がほぼ確実となった。
結局、連勝はしたが大型連勝は出来ず最下位が確定となり監督がまだシーズン中なのにも拘らず「最下位に沈んだ、チームの責任をとって今シーズン限りをもって監督は辞任する。」と発言した。…がシーズン終了後にファンの「監督を辞任するな!」署名活動や球団関係者・選手などの慰留によって辞任は撤回された。
この辞任撤回についてシーズン終了後、監督は「こんな成績で慰留されるとは思わなかった。正直、驚きはありますが皆さんに監督続投をお願いされた以上、来季は優勝できるよう頑張りたい。」と語った。
登場人物紹介
監督 チーム状況をみて采配を変える。前年に他球団から戦力外を受け引退。その後就任。38歳。
キャプテン 社会人出身という理由で監督から指名される。今のチームの責任を感じている。
ファン チームの状況を見守っている、影の立役者。勝ってくれると信じて応援している。