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第5話/真の根暗は叫ばない

 

「疾風宮、お前めっちゃ態度に出てたぞ。あれじゃ『好き!』って大声で言ってるようなモンだぞ。挙動不審過ぎて雪沙も逆に引いてるんじゃねーの? ぷっ、ざまあ」


 雪沙が職員室に行ってる間、俺達は雪沙の話題で持ちきりだ。


「やっぱりみどり君って雪沙さんの事好きだったんだねっ! ふふっ。頑張りな! ……でも意外。灰の事、鈍感野郎だと思ってたのに。鋭いね」


「ふっ、長年の人間観察の賜物さ」


 素直に感心してる桃瀬に、俺は卑屈に笑ってみせた。そんな桃瀬は俺の方をちらりと見た後、目を伏せて溜め息をついた。


「……人の事は鋭いのに、何で気付けないかなぁ」


「ん? 今なんか言った?」


「べつに」


 急に怒ってしまった。

 女心分かんねー。怖えー。超怖えー。


 まあ良いか。本人も「べつに」って言ってる事だし。


 俺は、疾風宮がキョドった事によりリア充フラグが折れた件についてひとまず大歓喜し、桃瀬の真似をして励ました。


「ドン引きされてたけど、頑張りな! ぷぷっ」


「なっ……何で笑うの⁉︎ て言うか灰君も雪沙さんと話してる時、全然目を合わせてなかったじゃないか!」


「しょーがねーだろ! 知らねーのか? ナメクジはなぁ、強い光を浴びると干からびて死んじゃうんだぞ! ……にしても、疾風宮があんなビッチの事好きだったなんてなぁ」


 ビッチ。その一言に疾風宮はキッ、と反応した。


「ゆっ……雪沙さんは全然ビッチ、とかじゃないからね! た、確かに見た目はあんなだけど、ホントは勉強とかスゴい出来て、真面目で、何よりすごい優しいんだから!」


 珍しく強気だな。これが、愛の力……。


 虫酸が走る。


「じゃあ言わせてもらうけどな、俺は騒がしいビッチと騒がしいギャル男と『2人組』が口癖の教師が世界で1番、大大大大大ッ嫌い! なんだからな」


 全世界の根暗を代表した、俺の魂の叫びに、疾風宮は首を傾げた。


「先の2つはまぁ分からなくないけど、何で『2人組』がダメなの?」


 は?それ俺に説明させるの?殺す気か?


「悟れ。察しろ」


「分かんないなぁ。楽しいじゃん、2人組。友達と喋れてさ」


 そうか……こいつはピュアで人畜無害だから放っておいても誰かが勝手に寄って来るのか。

 と、するとだ。こいつは俺よりカーストが上、なのか……。

 お前とは対等だと思ってたのに。認めないぞそんなの。


「灰……騒がしい子、嫌いだったの?」


「ああ嫌いだよ」


 桃瀬は不安そうに俯いて、上目遣いで俺を見上げた。


「……じゃあ、私の事、嫌い?」


 そんな事かよ。らしくねぇな、自信持てよ。


「確かに騒がしいけど桃瀬は全然嫌いじゃねーよ」


 表情がパッ、と分かりやすく明るくなった。


「じゃ好き?」


「ああ。……! いや、友達として、だからな! だからな! カン違いするなよ! おい、聞いてる?」


「うわぁ……。好きとかやめてよ気持ち悪い」



 はうっ!

 気持ち悪いって言われた……。

 グチャ、と俺の豆腐メンタルが潰れた。



 クソ、桃瀬め。何でそんなに嬉しそうなんだよ。


 リア充が底辺の俺を貶めて何が楽しい。


 この悪魔。

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