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第17話/むかしのゆめ

 

「い、いや待ってくれ桃瀬これは違うんだ誤解なんだ狼男には動く物をつい目で追ってしまう本能があってだな」


「そんな事言って灰もガッツリ私のパンツ見てたけどね」


「なっ……全然見てないっての! 清純な白なんて」


「やっぱ見てんじゃん! この変態共! ばかばかばかばかぁ‼︎」


 桃瀬は泣きながら両手を振り回し疾風宮の背中をポカポカ殴った。


「痛てて、ごめん、ごめんって! 今度良い喫茶店紹介してあげるから許してよ〜」


「ハハ、おい桃瀬。その位にしとけよ」


 俺は桃瀬をたしなめ、途中寄って来る幽霊共を殴り倒して奴らの元へ向かった。


「今度俺も良いラーメン屋紹介」



 どくん、と心臓が鳴った。



 悪寒が走り、体が小刻みに震える。


 地面に膝をつく。


 全身が鉛に変わってしまったように重い。



「あ、れ……何だコレ。なんか体が重いな」


 ハァハァと呼吸が荒くなる。


 耐えきれず、地面にうずくまった。


 異変に気付いた桃瀬と疾風宮が俺の元へ駆け寄ってくる。


「あ……コレ、ヤバい。マジヤバい。ハァハァ、うぐ……ゲフッ!」


 俺は病人のようにビチャっ、と吐血した。


 苦しい。


 胸を掻きむしる。


 体に力が入らない。


 脳が痺れる。


 視界が闇に侵蝕される。


 何も見えない。何も聴こえない。




 これが闇の力の代償、か……。


 薄れゆく意識の中、俺は身をもって悟った。





 * * *




 ――サッカーやろーぜ、カイ!


 ――またサッカーかよ、しんちゃん。ほかのあそびにしようぜ


 ――ヤダ! オレはサッカーがすきなんだ!


 ――いーじゃんカイ! いっしょにあそぼーよ


 ――お、レーカもやるの? いいぜ! じゃ、いつものところな!


 ――ちょ、おい! まてよ!


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