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第12話/違和感

 

 よくよく考えてみれば、俺に「初対面の人と話す」能力は皆無だった。


 中学時代、放課後や休日は友達と遊ぶよりずっと魔法の訓練ばかりしていたから当然っちゃ当然だ。


 フフ、

 強大な力の代償、か……。


「……」

 あまりに俺がキョドり過ぎたためか、爺さんも少し困惑気味だ。


 困った。



 どーしよ。



「道案内、ですね? 私に任せて下さい! どこに行きたいんですか?」

 と、そこに救いの女神が登場。

 桃瀬が、疾風宮を連れて戻ってきたのだ。


「助かりますなぁ。ええと、この近くにスーパーは……」

 爺さんは桃瀬に


 ん?

 ちょっと待て。


 桃瀬、お前「私」って言ったな。

 俺は?俺の事はアテにしてないって事か?

 まぁそれは否定出来ないけど疾風宮までアテにしてないのかよ。


「悲しいな、俺達アテにされてないぞ」


 俺は近寄って来た疾風宮にそう呟いた。

 こいつも意味が分かったらしく、苦い顔で笑っていた。




 * * *




「へぇ〜、囲碁やってるんですかー」

「そうじゃ。それで、囲碁仲間の家に遊びに行こうと思ったんじゃが其奴そいつに買い物を頼まれてな……」


 ここから1番近いスーパーに行くには人気のない裏街道を通る必要がある。老人と女子高生だけでは少し心配なので、仕方なく俺達も付いていった。





 その爺さんはよく話す人で、俺もそこそこ楽しい時間を過ごしたが、出会った時から抱いていた違和感は消えなかった。


 それどころか俺の頭上を埋め尽くし大きな影を落とす積乱雲のように、違和感は膨らみ続けた。


 違和感の膨らみに呼応して思考が加速する。


 何かおかしい。


 何がおかしい。


 探せ。


 探せ。


 探せ。


 それが答えだ。



 影を落とす、積乱雲……。







 かちり、とパズルのピースがはまった。


 断片的な情報がそれぞれ繋がり合って、ひとつの仮説が浮かび上がった。


 そしてその仮説が真実なら……。




 こいつらを今すぐにでも逃がした方が良い。

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