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第2話/根暗と世話焼きと同じ班の奴と

 

「えっとさ。狼月君……だっけ。同じ班の」


 右斜め前の席の奴が、首を曲げひそひそ声で話しかけてきた。本来なら仲良く喋って友達になれば良いんだろうが、俺は友達と思われたくないのでわざと突っぱねる。


疾風宮はやてみやみどりだろ。言ったはずだ。俺にかk」


「ダメでしょ、灰。お友達にそんな事言っちゃ」


 桃瀬がいつの間に会話に参加していた。



「ごめんねー。みどり君。こいつこういう奴だけどホントは素直な良いコだから。仲良くしてあげて」


 おいおい……お前は俺の保護者かなんかかかよ……。



「……ええと、桃瀬さん? って狼月君の保護者みたいだね。仲良いの?」


「おい桃瀬。俺はお前の子供になった覚えはないぞ。だいたいお前は他人ヒトの世話焼きすぎなんだよ。俺の事なんか放っとけって」


「なによぉ〜、本当は話しかけてきてくれて嬉しいくせに」


 桃瀬はからかうような視線を俺に向けた。


「べっ……別に全然嬉しくなんて」


「フフッ、やっぱり仲良しなんだね」


「疾風宮、桃瀬、狼月! うるさいぞお前ら! まだ帰りのH・R(ホーム・ルーム)中だぞ!」


 俺達の雑談に堪えかねた先生に、入学初日から名指しで怒られた。


 だがひとつ言っておくぞ先生。俺は悪くない。




  * * *




 入学式なんてやる事少ないから昼飯食う前に学校を出られる。


 昼飯は俺の行きつけのお好み焼き屋だ。


「……で、何でお前らが付いてくるんだ」


 俺は当然のように後ろにいる桃瀬と疾風宮を睨んだ。


「えー、いーじゃん別にぃー。家帰っても何にもないしさー。それともなによ、こんな超美少女がとなりにいたら緊張してお好み焼きがひっくり返せないとか?」


 桃瀬は、トレードマークのポニーテールを揺らして悪戯っぽく笑った。


 毎度ながらその笑顔にはドキッとしてしまう。


「疾風宮、お前まで来たのか……」


「いやぁ、僕は遠慮するって言ったんだけど桃瀬さんがどうしても来て欲しいって言うから仕方なく。へへ」




 言葉のわりに楽しそうだなお前。ったく、何が「へへ」だコラ。

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