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黄土色
凍り付く程の寒さに耐える、その様は生まれたての生き物によく似ていて。
刺されても尚、芽吹く。季節外れのヒトの匂いがした。
生命は、もう二度と誕生しない。じっと耐える子供の様に、母親を待つ子の様に、寒さが過ぎるのを待つ。
荒廃した地球を眺め、重い腰を持ち上げて歩き出す。何だか此処はもう自分の知っている場所ではないのではないか。そんな“馬鹿な考え”が頭に過ぎった。
間違いなく、此処はホームタウンなのに。
行く末は分からないままで。すれ違いざまに言葉だけの挨拶を交わした。次の町を探す。人を『探』して。
幸せそうだった骸に出逢う。決して消えて忘れ去られることの無いように、骸を埋めた。
人の生も
人の死も
総てはここだった。
さぁ、温かい場所へ帰ろう。