【番外編】魔法が使えない三日間 <二日目> 可愛すぎる贈り物
時間軸:一章の12話裏
✴️“滅びの断末魔”を使用した代償として魔法が使えなくなってしまったリズム。レベル上げができない三日間、リズムは一体何をして過ごしたのでしょう?
二日目です。
魔法が使えないときに、私がルカ様からもらったもの……。
それは、翌日起きたら私の部屋の扉を開けてすぐのところにあった。
――えっ!?
それを見たときは驚いたが、すぐに私は目をキラキラさせた。
「わぁぁぁ……!」
な、な、なんだこれは……!!
「ライム〜!! 見て見て見て見て見て!!」
私は「見て」と連呼しながらそれを持ってライムがいるところ――家のリビングへ向かって全力でダッシュ!
あ、途中の階段は危ないから慎重に降りたよ。大丈夫、安全運転だから!
……ダッシュしている時点で安全じゃない、っていう意見は受け付けてないからね?
無事に事故を起こすこともなく、私はリビングへと辿り着いた。
私のことを若干呆れを孕んだ表情で不思議そうに見ていたライムだが、私が手に持っているものを見た途端、その表情は驚きに変わる。
やっぱりそうなるよね! 私もそうなった!
……ただ、ライムのその反応は私と違うところもある。
それは、ライムの驚きの時間が長いことだ!!
私は十秒くらいこれを見て驚いた後、「わぁ……!!」っていう気持ちになったのに……。
ライムは、かれこれ一分くらい驚きの表情で固まっている。
あのう、そろそろ何か言ってくれませんか?
――ハッ!
そうか! 私の説明不足か!
私が奇声なるものを上げてライムに近づいた挙句、更に説明不足だからこんなに固まっているんだね!
「これはね、犬っていう動物なんだよ!」
「知ってます!!」
おおう、ライムさん。反応が早いですねぇ。それが分かっているならどうしてこんなに固まっていたんだろう?
ルカ様から贈ってもらった「良いもの」――それは、可愛い可愛い子犬ちゃんなんですっ!
「僕が知りたいのは、どうしてその子がこの家にいるのかということです! どういうことですか!?」
「あ、そういうこと」
「それ以外に何があるんですか……」
ライムははぁ、と溜息をついた。
むっ、普通は犬を知らないのかって思うでしょ。そうでしょ!
だってライムの顔に「なんだそれ」って書いてあったんだもん。そういう風に見えたんだもん!
未知の生物と対面したかのような顔をしていたライムが悪い!
……いや、もしかしたら私の考えが普通ではないのかもしれないけれど。
「この子はね、私の部屋の扉の前にいた子なんだ! 多分、ルカ様が私が暇にならないようにと贈ってくれたんだよ」
「……なるほど。そういうことでしたか」
すごい! ライム、なんだか最近呑み込みが早くなってきたね! 私も負けないようにしないと!
「うん! この子、名前は『ソラ』って言うんだって。見て、首輪にそう書いてあるよ」
「本当ですね。では、ソラの飼い主はルカ様なのでしょうか?」
「えっ? それは……どうだろう?」
確かに、それはわからない。首輪と名前がついているから、飼い主がいるにはいるんだろうけど……。飼い主は、ルカ様なのかな?
でも、彼が贈ってくれた子だし、飼い主もルカ様って考えるのが普通だよね?
「ま、そこはルカ様が来た時に聞けばいいでしょ。それよりも、ソラ、可愛すぎない!?」
「いきなりどうしたんですか!? まぁ、確かに可愛いですね」
「でしょ〜!」
やっぱり可愛い!!
ソラは、名前の通り空色の毛を纏っている可愛い子犬だ。もふもふしていてすごく触り心地が良い!! 最高っ!
さらに、目も可愛いんだよね! キュルンと大きくてぱっちりとした黒目だ。
妙に私たちに懐いている。ルカ様が何かしてくれたのかな。
私とライムがソラを見つめていると、ソラは「クゥン?」と不思議そうにして声を出した。
「可愛い……っ!」
可愛すぎるでしょ! 何、「クゥン」って!? 可愛さで私を攻撃しないでもらいたい!!
ライムも微笑みながらソラを見つめている。
私よりかはダメージを負っていないが、ライムも少なからずソラに萌えているのだろう。そう思うことにした。
こんなに可愛い子を贈ってくれるなんて、ルカ様、神だわ! 実際に神様だけど!
――♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪☆♪――
私は、一日中ソラと一緒に遊んだ。
正確にいうと、庭で遊びまくった。……まったく正確じゃないかもしれない。
でもでも、とても楽しかったよ! 本当に可愛くて楽しくて最高だった!!
ごめん、私は興奮すると語彙力がなくなる系の人だから許して。
「リズム! 僕が贈ったもの、どうだった?」
「ありがとうございます! 最高です!」
「う、ん。それはよかった」
ソラのおかげで、夜になって急にルカ様が現れてもまったく動じずに感謝の言葉を伝えることができた。
ルカ様は、まったく驚かない私に驚いていたけど。私はいつも驚かされる側だから、謎の優越感を得ることができた。
「ソラの飼い主は、ルカ様なんですか?」
「う〜ん……。まぁ、僕ってことではあるかな」
「?」
ちょっと迷ってから答えたルカ様の様子に、私は首を傾げた。
え、どういうこと?
「ソラは、僕が魔法で生み出した存在なんだ。だから、僕が飼い主ってことにはなっているけど……。その魔法を保てるのはせいぜい二日だから、明日にはお別れになっちゃうんだよね……」
「「ええ!?」」
私とライムは声を揃えて同時に驚いた。ソラは、ルカ様が魔法で創ったの!?
そして、お別れっていう事実に私はガーンとなった。
ソラ、もう明日までしか一緒に遊べないの……?
「ごめん」
「ルカ様のせいじゃありません! ソラを贈ってくれただけで嬉しいですから」
ルカ様が申し訳なさそうな顔で謝ったから、私はそれをすぐに否定した。だって、本当にルカ様には感謝しているし、きっとこの魔法は大変なんだろうな、って思ったから。
明後日までしか一緒に遊べないなら、残り一日間はたくさん遊ぶしかないよね!!
ソラはルカ様が創り出した子犬でした。一緒にいられるのはあと一日。リズムはどうやって過ごすのでしょうか?
お読みいただきありがとうございました!\(^o^)/
次は魔法が使えない三日間のうち、三日目のお話です。次回更新はいつになるかわかりませんが、いつかは必ず更新しますので、そこはご安心ください! ……今回も本当ですよ? 絶対に更新しますから!!(`・ω・´)ゞ




