表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/361

消えた記憶と愛する人の嘘 25 「忘れていたもの」



夜の静けさの中、俺はぼんやりと天井を見つめていた。

まいが帰ってしまってから、気持ちは穏やかだったが、どこか手持ち無沙汰でもあった。


ふと——昼間のことを思い出す。


ナースステーションで預かっていたバッグを返してもらったこと。

でも、その後すぐにまいと会い、一緒に病室へ戻ったせいで、中身を確認するのをすっかり忘れていた。


「そういえば……」


独り言のように呟きながら、俺はゆっくりと体を起こした。

まだ時間はあるし、他にやることもない。

だったら、今のうちに確認してみよう。


ベッドの横にある引き出しを開ける。

そこにしまっておいたバッグを取り出し、膝の上に置いた。


手のひらで表面を撫でると、バッグのあちこちに擦れた傷が残っているのがわかる。

事故の影響なのか、何かに強くぶつかった跡のようなものもあった。

「……結構、ボロボロだな」


呟きながら、ファスナーに指をかける。


中に何が入っているのか——

俺の“過去”に繋がるものが、ここにあるかもしれない。


ゆっくりと息を整えながら、バッグの口を開いた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ