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消えた記憶と愛する人の嘘 20 【気づいた想い】



スマートフォンの画面には、俺とまいの笑顔が並ぶ写真がいくつも映っている。


旅行先の景色、何気ない日常の一コマ、俺たちは確かに一緒にいた。


——それなのに、俺は。


ここ数日、ずっとまいの言葉を疑っていた。


「本当に恋人なのか?」

「俺を騙してるんじゃないか?」


そんなふうに思っていた自分が、今は心底情けなくなる。


俺よりも——

俺以上に不安だったのは、まいのほうだったんじゃないか?


俺の記憶がなくなったと知ったとき、どれだけショックを受けただろう。


恋人だった俺が、突然「知らない人」になる恐怖。


もし俺が、まいを拒絶していたら?

もし俺が、まいを信じなかったら?


それでも、まいは俺を見捨てることなく、こうして隣にいてくれる。


何も覚えていない俺に、優しく思い出を語ってくれる。

事故で壊れた携帯を買い替え、データを復元し、思い出を繋ごうとしてくれている。

俺のために、何もかも——。


なのに俺は、まいのことを疑っていた。


その事実が、心に鋭く突き刺さる。


「……俺って、本当にバカだな」


小さく呟くと、まいが不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。


「どうしたの?」


俺は、まっすぐまいの瞳を見つめた。


——謝らなきゃ。


俺は、まいを信じきれていなかったことを。


そして、もう一つ確かめなければならないことがある。


「まい」


「うん?」


「……俺、記憶がない。今も、まいとの思い出は何一つ思い出せていない」


まいの表情が、ほんの少し曇る。


「でも……それでも、俺は、まいを信じたい」


そう言いながら、俺はまいの手をそっと握った。


「これから先、俺はどれだけ時間がかかっても、まいとの関係を取り戻していきたいと思ってる。だけど……」


言葉を一度飲み込んで、決意を込めて続ける。


「こんな俺についてきてくれるか?」


俺の問いかけに、まいは一瞬驚いたように目を見開いた。


そして——


ゆっくりと、優しく微笑んだ。








早くも私まいが気になり出しました。

また、よかったらしばらくの時間お付き合いよろしくお願いいたします。


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