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雨のち先輩ときどき教訓!?  作者: 雷彗緋龍 魔倶禰詞亜
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大丈夫、カタツムリがいるかぎり♪

 今日は、関東全域で梅雨日和だった。朝から、しとしと雨は降り続けやむ様子も見えない。今は放課後の直前、つまりホームルームがまさに終わりそうな中途半端な時間帯。それでも雨は休むことなく降り続けていた。やがて、先生の話も終わりサヨナラの合図で次々とクラスメートが立っていく。僕はそんな中ぼんやりと外を見ていた。今日は雨の日だ。

 傘を忘れたことに気付いたのは、もうほとんど人が帰った人気のないげた箱でだった。しょうがないのでカバンを持ち上げ即席の傘を作る。そして猛然とダッシュ。ずぶぬれになりながら途中のコンビニで傘買おっかなと思いつつも走っていたぼくは、ピンクの水玉模様の傘に激突して倒れた。

「大丈夫!?」

かわいらしい声だった。水と泥で気持ち悪い視界の中でもその顔はとてもかわいかった。

関東は梅雨日和である。


 梅雨前線ももうすぐ去る。長く続いていた雨も終わりに近づきつつあるのだ。そんな日の昼休み、僕は一人で屋上の前の扉の前に腰をおろし、外の雨を眺めながら弁当を食っていた。いつもなら、屋上の倉庫の上にはしごで登っていきそのうえで食べている。化と言って雨の日にそんなことをすればどうなるかなんて誰でもわかる。実際に傘なしで自分の家まで走って帰り、その途中でこけてずぶぬれになるというリアルな体験をしていた僕には嫌というほどわかった。しかしいつもの習慣と言うべきなのか屋上に上がってきてしまうのだ。まあ、そんなわけで僕は屋上前で弁当を食べていた。階段を誰かが上がってくるのが聞こえたのはそんな時だった。一瞬幻聴だと思ったが、そうではなかった。なぜならすぐ後に、年下らしき少女があがってきて雨の真っ只中という屋上に現実逃避ともいえる行為に踏み出したからだ。彼女は外に出て行った。夏服というとっても薄手の制服で・・・

 とにかくそんな人間を放っておいたらたまらない。風紀委員ではないがこの状況を止めなければならないことは確実である。というわけで僕は彼女を探して雨の降りゆく屋上に行くことになったのだ。そして僕は見た。人は覚悟を決めると何でもできるという象徴を。雨でずぶぬれになりながらも柵の外側に立って、手を水平に広げて今まさに落ちて行こうとするとある少女の姿を。彼女が死を決意しながらも誰か助けてと無言で語っているその雨と涙でぬれた彼女の顔を。そして、彼女が手にしていた赤い小さな花を・・・

 それは何かたとえようもなく美しいとともに悲しい、透き通るような姿だった。まるでそう、雨水のたまった濁りのない小さな水たまりの上の花びらを見てるようなそんなはかなさがあったのだ。だから手を伸ばした。そんな透き通るような彼女に、濁りを与えるために。彼女に透き通った水と白い絵の具の違いを教えるために、手を伸ばした。

でも、それはただの独りよがりだ。だって、白だって透き通ることはあるのだから

 ただ、僕はそんな彼女見て悲しくなっただけかもしれない。彼女には僕が自国から天国に行こうとするものを縛り付ける鬼に見えたのかもしれない。同情だけの世界がどんなにつらいか僕は知っているはずなのに・・・


 今日も彼女はいた。彼女の名前は「先輩」と言うらしい。どうにもおかしな名前だが彼女の言うところによると「先輩って呼びやすいでしょ?だいち私はあなたの先輩なんだから理にもかなってるじゃない」らしい

 彼女はいつもぼくの登校ルートのある地点でピンクの傘をさして立っていた。ぼくが来るとなぜだか「ねえねえ、慈穏しおんくん。さっきね、カタツムリが横切って行ったんだよ。それでね、それでね」と子供のようにたわいもないことを目をキラキラさせて話しかけてくるのだ。そして家の前までついてくると少しさみしそうな眼をして、元気な声で「まったねー」と言って、パタパタとかけて行くのだった。

 そして今日も彼女は全く同じ場所で待っていた。手を傘の下から大きく振っている。早速話しかけてくるとぼくは耳を傾けた。しかし彼女の声から出てきたのは、いつもより元気な下げで控えめな声だった。

「慈穏くん、また傘忘れたの?」

 たぶんそれはなぜドボドボなのということだろう。なぜなら屋上の騒動の後、体操服に着替える間もなく学校が臨時休校となったからだ。先輩は、二度目の出会い以降、風邪というものに気を配っている。僕が休むと話しかける人がいなくなるというのが理由らしい。いったい何している人なのか、全く謎な「先輩」である。まあ、とにかく流れでぼくはこの人に、屋上での出来事を話すこととなったのだ。


 私は死にたかった・・・。なのに、誰かが助けた・・・。私の気持ちなんて知らないくせに・・・。なのにそいつは、笑顔でなんか言ってきた。正直うざかった。でも、どう返答すれば分からなかった。だって、私は失われた子なんだから・・・。この世の誰にも話しかけてはだめだ。だめだ、思い出すな!あんな奴忘れろ。どうせ、誰にも分からないんだ!どうせいつはお節介な気持ちだけで助けたんだ!私は、失われた子。誰にも、誰にも変われない!私だけが特別。でも、死にたい。失われたままなんていやだ!だめだ、だめだ、だめだ。こんな気持ちになっちゃいけない。全部あいつのせいだ。あいつが悪いんだ。あのまま落ちてたら、今頃私は・・・


 今日も朝から雨だった。そして、今日も「先輩」はいた。一つ違うとすれば、先輩の話のレベルが上昇しただけ。先輩は、昨日屋上の話を聞いてからやけに輝いている。そしてそのことについていろいろ聞いてくるのだ。

「ねえ、慈穏くん。その子ってどういう子なの?」

「そうですね・・・」

 彼女を知らない人は学校の中でも数人だろう。なぜなら彼女は、若竹財閥の令嬢なのだから。若竹というとほとんどの人が知っているだろう。日本の中でもとても有名だからだ。そんな子が自分の学校にいたら自然と注目するだろう。しかし、僕はあう機会はとても少ないし、話しかけたのもあれが最初だった。そういえば、名前を聞いたことがない。若竹っていう名字は分かるんだけど・・・。

「へえ!すごいね。そんな子がなんで、自殺なんかしようとするのかしら?」

「そんなの知りませんよ」

「そうね・・・。じゃあ、こうしましょ。慈穏くんは、その子の情報を集めてくる。そして、見事に事件を解決してちょうだい。私は見てるから。ね?素晴らしい取引だと思わない?」

「思いませんけど・・・。僕には何のメリットもないじゃないですか」

「う~んそうね。じゃあ、私も協力するわ」

「どこがメリットなんですか・・・?」

「あら、失礼しちゃうわ。慈穏くんみたいなのがこんな可愛い先輩と一緒に入れるのよ。とっても素晴らしいことじゃない」

「まず、その天然頭で幼くってドジなところを直してください。そうすれば、一緒に行ってもいいですよ」

「じゃあ、決まりね。そうときまったら乗り込むのよ、慈穏くん」

 こうして、先輩と僕の第一回目の事件簿が出来上がってしまったのである。


 昼休み、そいつは、なれなれしく私に話しかけてきた。こいつ、私が令嬢だって知ってるんだろうか?だから、言ってやった。「ほっといてよ、変態」って。じゃあ、あいつは出て行った。また、いつもの昼休み。さっきの奴、もう一回こないかな。だめだ、だめだ。そんなこと考えちゃいけないんだ。私は特別。失われたものなんだ!


「だめでした、先輩。やっぱ、初対面に話しかけるなんて無理がありますよ・・・」

「ん?何か、あったのかな?ねえ、慈穏くん~。何か、あったなら、先輩に話しなさいよ~」

 つくづく、変なところで勘のいい先輩だ・・・。濡れてただけだったり、少し落ち込んだだけで、分かるとは。はあ、これで、本来もそうだったらな~。

「分かりましたよ、話せばいいんですよね、話せば」

「ああ、もう。その反抗的な態度はだめだよ。ほらほら、先輩に対しては敬意をはらわなきゃいけないんだよ」

 たぶん他の先輩なら、どうにか敬意をはらうというところまで持っていけそうだが、この先輩は無理そうだ。日ごろ、カタツムリ~♪とか言ってはしゃいでいる少女が、頬をふくらませて、敬意をはらいなさいと言っても、誰が聞くのだろうか?

「とにかく、聞きたいんですか?悩み事を。それともやめときますか?」

 そういうと、まだ怒ってるよという意思表示なのかツンとして、

「じゃ、じゃあ、はなひなさいよ」

 と言った。しかし、先輩、かんでますよ・・・。そういうわけで僕は、変態と言われてしまったので、すごすごと帰ってきてしまいましたというみっともない話を聞かせたのである。そして、先輩は案の定笑った。

「変態だってーあはははは。慈穏くん、なにしたのー?あははは」

 こういう人に笑われると非常にムカつく・・・。とにかく、僕は、家の前まで来たので、彼女に別れを告げた。彼女はまだ、からからと笑いながら「まったね~。明日も事件捜査だよ~」と走って行ってしまった。その時、僕はふと思ったのだった。彼女はいったい何をしている人なんだろうと。雨は少し小降りになっていた。


 また、喧嘩だ。なんでいつもいつも。どうせ私のなすりつけ合いなんだ・・・。なんで、こんな時にあいつの顔を思い出すんだ!あんな奴忘れろ!どうせまた、またまたまたまたまた・・・


 今日も雨は降っていた。どうやら、明後日には晴れ間が戻ってくるようだ。そしてよりによって、先輩はピンクの水玉模様の傘をさして待っていた。僕を見つけると早速よってくる。

「ねえねえ、慈穏くん。さっきね、黒猫が通っていったんだ~。でね、雨にぬれてかわいそうだから、傘さしてついていったの。じゃあね、ミァーンってなくんだよ~。もうかわいくってかわいくって」

「はいはい、分かりましたから、そんな変ななきごえやめてください・・・」

「変じゃないよ、だって私は猫さんに教えてもらったんだもーん」

「分かりましたよ・・・。で、今日はどうするんですか・・・」

 僕は半分あきれながら聞いた。

「今日の放課後、その子を私のところに連れてきなさい。慈穏くんじゃ駄目だったんなら、私がやるわ。私じゃ変態なんて呼ばれないでしょ?」

 僕は先輩に聞いたことをその瞬間後悔した。この人は例え、変態と呼ばれなくったって、誰から見ても変人だ・・・。こんな人に任せたらどうなるか分からない・・・。しかし、彼女はもうのりのりで、そんなことなど聞いてもらえそうにもなかった・・・


 あいつは、また話しかけてきた。今度は何を言っても引き下がらない。本当にうざい・・・。ほっといてくれたらいいのに・・・。なにしろ、無理やり追い返した。うっとうしい。なんで、急に話しかけてくるようになったんだろう。やっぱり、あのせいだろうか?だと、したらやっぱりただのおせっかいだ。でも、これでこないだろう。あんなことをやった後に来たら、それこそクラスでいろんな噂がたつにきまってる。だけど、なんか悲しい。なんだろう、この気持ち・・・


 学校が終わった後もまだ雨は降り続いていた。雨は好きだ。私の中のもとをきれいに洗い流してくれるから。ポツリポツリという雨の音も私を祝福してくれるような気がする。でも、それもながくは続かなかった。あいつが校門の前にいたからだ。変な女と一緒に。その時なぜだか知らないけれど、ふつふつと怒りが込み上げてきた。裏切られた。何が?あいつは裏切ったんだ!何を?あいつは、あいつは・・・・・・、しんじてた・・・のに・・・。何に対して?何を信じてたの?分からない!分からない!


 若竹さんが来たのが見えた。

「先輩来ましたよ」

 しかし、その時すでに前にいた彼女の姿はなかった。後ろを振り返ってみると、彼女はまるでお金を見つけたように上機嫌で、若竹さんの方にすり寄っていっていた。

「ねえねえ、お名前なんて言うの~?かわいいね~♪うぅ~~♪」

 そして、見も知らぬはずの彼女に抱きついて、なでまわしていた・・・


 その変な女は私をなでまわしてきた。うっとうしいけど、抗えない。なんなの、こいつは!?


「ねえ、名前なんて言うの~♪」

「・・・春奈・・・」

「春奈ちゃんか~。私は、先輩よ~。先輩って呼んでね~」

「・・・はい・・・先輩・・・」

 おそるべし・・・。まさか、先輩にこんな能力があるなんて・・・。ここまで、思って笑ってしまった。僕も同じだったじゃないか・・・。先輩の能力なんて分かってたはずじゃないか。だって、高校になってはじめてこう気軽に話せたのは、先輩だけだったのだから。

「で、春奈ちゃんは、何か、お悩み事でもあるのかな?」

「ない」

「・・・?そう・・・。じゃあ、言う気になったら教えてね」

 やっぱり先輩でも心の傷はいやせない、か。でも、先輩はそんな僕に結局なんて言ったんだっけ・・・?


 家に帰ると、アマリリスが枯れていた。花瓶の中に水はなかった。ずーーーと、ほっておいたから。最期のあるべきものがなくなった時、私は失われし者になるはずだった。なのに、心は空っぽにならない。だめだ!早く空っぽにするんだ!死ぬのに失敗したんだから、心を空っぽにしなきゃいけない!じゃないと、じゃないと・・・。あの女のせいだ!あの女のせいだ!あの女が、あの女が!うぅ、助けてよ・・・。誰か助けてよ・・・。枯れたのに、戻ってこないの・・・。お父さんが戻ってこないよ~。お父さん、どこ?お父さん、慈穏くん・・・


「先輩もう、やめませんか・・・?あの子はそっとしておいてあげたほうがいいですよ」

「ねえ、慈穏くん。私と初めて会った時言った言葉、覚えてる?」

「大丈夫、カタツムリがいるかぎりって言葉ですか・・・。はっきり言って意味分からないんですけど・・・」

「え・・・?なんで?」

「なんでって・・・」

「慈穏くんはカタツムリってどんなのか知ってる?」

「ええ、知ってますけど・・・。あの渦巻き模様の殻をもってるやつですよね・・・」

「カタツムリってね、慈穏くんに出会うまでは私のたったひとりの話相手だったんだよ?」

「え・・・?」

「私ね、幽霊なの。雨の日にか現れない幽霊」

「じょ、冗談はよしてくださいよ。何言ってるんですか?だって、透けてなんていないじゃないですか。ちゃんと触れるじゃないですか」

「うん・・・。でも幽霊なの。誰ともしゃべれなかったさまよえる幽霊」

「嘘です!先輩、本当のこと言ってください!」

 本当は分かっていた。

「幽霊じゃないって言ってください!」

 でも、認めたくなかった。だって・・・

「幽霊なんてありえないです!」

 僕の高校で初めての話相手だったから。だから、もっと・・・

「先輩!」

 からかったりしたかった。カタツムリの話、蛙の話、雨の話、ずぶぬれ猫の話もっと聞きたかった。聞いて、安心していたかった。

「もうすぐ、梅雨、終わるのね」

 彼女は、それだけ言った。そして、にっこり笑うとやっぱり「またねー」と言ってパタパタとかけて行った。


 なんで、あいつの名前なんか、出てくるの!?また、悪い泣き虫の心が話しかけてくる。やだ!あなたの泣き言なんて聞きたくないわ!私は特別!特別特別特別特別・・・・・・


 先輩がいるのが、当たり前だと思ってた・・・。

「私ね、幽霊なの」

 先輩としゃべれるのが、当たり前だと思ってた・・・。

「雨の日にしか現れない幽霊」

 先輩が明るくってお人好しでドジで天然なのが当たり前だって思ってた・・・。

「誰ともしゃべれなかったさまよえる幽霊」

 先輩は、先輩は・・・。

「もうすぐ、梅雨、終わるのね」

 はじめて僕のことを分かってくれる人だと思っていた!ずーと、笑って、いつも、傘をさして家の前で待っていて、帰りはまた、傘をさして待っているんだって信じたかった。バカだな、本当に・・・。あのこけたとき、もう知っていたじゃないか。彼女が急に現れたことを。本当は前が見えなくって激突したんじゃなくて、急に現れたからなんだってことを。知っていたじゃないか。でも・・・

「明後日には晴れ間が戻り梅雨晴れのいいお天気になるでしょう」


 私は特別、だってそうしないとお父さんが!お父さんのアマリリス、お父さんの・・・


 今日も彼女は家の前で待っていた。いつものピンクの水玉模様の傘をさして。でも、その表情はいつもと少し違った。いつもより暗い、そんな表情だった。

「おはよ。慈穏くん」

「おはようございます」

 その後はずーと無言が続いた。校門の前に来た時、先輩が声を出した。

「春奈・・・ちゃん・・・?」

 先輩が見上げてる方を僕は見た。そこは、屋上だった。雨の中、一人の人影が手すりに向かって歩き出していた。僕は走りだした。

 かばんを放って、階段を駆け上がる。屋上のドアを開けた時、彼女は落ちるところだった。

「若竹!」

 落ちる時、ちらっっと彼女の顔が見えた。そこには鬼のような形相があった。

「邪魔するな!!」

 彼女は一言そう言った。でも、僕はその時にはもう駆け出していた。彼女の手を必死につかむ。彼女は体を横に振りながら叫んでいた。

「はなせ、はなせ!私はお前とは違うんだ!!」

 そうかと思うと次は泣きそうな声で

「お父さん・・・お父さんが、お父さんが・・・。助けて、助けてよー」

 彼女のもう片方の手に握られているものが見えた。それは茶色く枯れた花だった。そういえば、前の時も花を持っていた。赤い小さな花を・・・。


 なぜなぜなぜなぜ!!なぜ邪魔をするんだ!助けてよ、助けてお父さん。邪魔をするな!あいつも一緒に道連れにしてやる!慈穏くん、助けて・・・


 彼女はまだ体を横に振り続けていた。

「はなして!」

 その時、後ろのドアが開く音がした。そして、先輩が隣に走ってきた。傘はどこかに放り出してきたんだろうか、持っていなかった。

「春奈ちゃん!もう一方の手を伸ばして!」

「やだやだやだやだ、この花は絶対あげない!誰も誰にも絶対取らせないんだから!だまされないんだから!分かった、あなたたちは悪魔の化身なんだ!絶対悪魔なんかにはならない!!」

「春奈ちゃん・・・。私たち悪魔なんかじゃないわ」

「悪魔だ!!!悪魔は立ち去れ!!!!!!」

「ねえ、春奈ちゃん。私も一人ぼっちだった」

「悪魔!こないでこないでこないでこないで」

「でもね、私それが普通だと思ってたの」

「やめてやめてやめてやめてーーーーーーーー」

「だって、私の世界は一人だったから」

「こないで!!」

「でもね、やっぱりね。だめなのかなって。だってね、誰も知らないって思ってても、誰か見てるんだよね。絶対に。その人はね・・・


 その女は言った。その時は私は何か心に生まれるのが分かった。それは、さっきまでの心を押し出してしまった。その時怖いと初めて思った。下を見て、怖いと初めて思った。でも、それと同じくらいなぜか安心感が押し寄せてきた。だって、あいつはあの女の言ったことを聞いてなかったから。そいつは、私を持ってるのに必死で聞いてなかった。でもなぜか、あの女の顔にそいつが聞いてなかったことにほっとした表情が浮かぶのになぜだか、いらついた。だから、強がるためと怒りとで半々の花を投げつけた。花は雨でぬれながら、落ちていった。その時、私は特別じゃなくていいから別のことを神様に願った。私は・・・


 学校が終わった。晴れるのは明日とニュースで言ってたのに、もうすぐ晴れるところだった。雨も少ししか降っていなかった。僕は、学活が終わると階段を駆け下り校門をぬけて、先輩の姿を探した。いなかった・・・。もしかしたらと思って、家に向かって駆け出した。そして途中の水たまりで滑ってこけた。その時、

「大丈夫?」

 あの時のかわいい声が聞こえた。

「どうしたの?そんなにあせって」

 その少女はいたずらっぽく笑った。やっぱり、ピンクの水玉模様の傘をさして。

「ごめんね。本当は、明日の朝さよならっていうつもりだったんだけど、傘をはなしちゃったから雨は続かなくなっちゃった」

 そう言って、やっぱりは彼女は笑った。

「カタツムリさんにも挨拶してきたから、慈穏くんで最後だよ」

「カタツムリさんはなんて言ったんですか・・・?」

 僕は立ちあがって少し呆れて聞いた。

「えっとね・・・。う~ん、わからなかった~。てへ」

 彼女はそう言ってまたコロコロ笑うのだった。

「じゃあ、慈穏くん、今回の教訓は?」

「教訓って何ですか・・・?」

「いいからいいから、ほらほら、頭に浮かんだ言葉をそのまま言えばいいんだよ♪」

「先輩とはドジで間抜けな人をさす。みたいな感じですか?」

「もうっ。私は、ドジじゃないもん!先輩には敬意をはらわなくちゃいけないんだよ」

「はいはい、分かりましたよ。じゃあ、教訓って何なんですか?」

「大丈夫、カタツムリがいるかぎり、だよ。ちゃんと覚えておいてね」

 僕は一瞬、頭が真っ白になった。そんな僕を置いて彼女は手を振って、「またねー」と言って駆けて行った。そして、徐々に彼女の影は薄れ消えた。空は雲が消え、太陽が顔をのぞかせていた。そんな中一人、僕は呟いた。

「先輩、カタツムリがいるかぎりって、見えてるってことですか?それともどこかにいたらってことですか?」

 でも、誰も答える人はいなかった。僕は家の中に入って行った。

どうも、X-MENなどと名乗っている馬鹿です。作者名も分かりづらいですか?あれで、ドラゴンって読むつもりなんです・・・。なので、その後の魔倶禰詞亜(←マグネシアト読みます)魔倶でもマグでも、ネシアでも、ドラゴンでも、何でもいいのでそう呼んでもらいたいです。ということでこの作品、少なくとも7話ぐらいは書きたいです。続編は書きます。次は、春奈ちゃんも仲間に加えるつもりです。読んでいただいた人ありがとうございました。

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