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蛇紋石の壁を右手にシダの生い茂る道を行く。
やがて風化して白い斑点のような地衣類のある段差が目立ち始めると左折した。
シダの根元には、芽は見当たらない。
時期を過ぎてしまったようだ。
錬金術の材料に使えるので、帰りに取って帰ろうかと思っていたのだが残念だ。
その代わり。開けた場所で、キイチゴを多く見つけた。
砂糖もあるので、あとでジャムにして熱々のままパンに塗って食べるのもいいだろう。
バターを乗せてもいいかもしれない。
タンパク質を分解する酵素を含んでいるらしいので、肉を漬ければ柔らかくなるのだろうか。
少し持って帰って試してみよう。
そんな事を考えているうち。尾根を横断する形の、トレントの作った十字路をそのまま直進する――。
薄暗かった森が急に開けて霧に散乱する光が目に飛び込んでくる。
恐らくはトレントの集会場なのだろう。
きのこの螺旋状に苦悩するように捻転する枯木が、まるでスポットライトに照らし出されたかのように、中央で光って見えていたのが印象的だった。




