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雨に濡れて黒く光沢のある蛇紋石の壁の前には、岩を主食とする精霊ノームが佇んでいる。磨かれたように見える壁は彼らの食事跡なのだ。
「モッ――モッ――モッ――?
オハヨウ」
ノームはこちらに気が付くと声を掛けてきた。奇妙な出会いに好奇心が擽られる。
「おはようございますですわ!」
「おはよう、ノームさん」
「ココハ、シノヤマ。
コンナバショニナニシニキタ?」
「冥王に会いに来ました」
「ソウカ。メイオウキムズカシイ。
キヲツケルトイイ。ヨイタビヲ」
「ええ、ありがとう。ノームさん。
良い一日を」
「モッ――モッ――モッ――……」
白く泡立つような模様の蛇紋岩塊を横切り壁沿いに進んでいく。




