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墓碑  作者: ファイアフライ
第Ⅱ章:死の山への入山Ⅰ
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06

 雨に濡れて黒く光沢のある蛇紋石の壁の前には、岩を主食とする精霊ノームが佇んでいる。磨かれたように見える壁は彼らの食事跡なのだ。

 

「モッ――モッ――モッ――?

 オハヨウ」

 

 ノームはこちらに気が付くと声を掛けてきた。奇妙な出会いに好奇心が(くすぐ)られる。

 

「おはようございますですわ!」

「おはよう、ノームさん」

 

「ココハ、シノヤマ。

 コンナバショニナニシニキタ?」

「冥王に会いに来ました」

「ソウカ。メイオウキムズカシイ。

 キヲツケルトイイ。ヨイタビヲ」

「ええ、ありがとう。ノームさん。

 良い一日を」

 

「モッ――モッ――モッ――……」

 

 白く泡立つような模様の蛇紋岩塊を横切り壁沿いに進んでいく。

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