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4.不安的中

4.不安的中


 日下部は研修プログラムを作る。同時に研修の試験問題も。試験問題の半分はこのプログラムから出題される。例年だと本社社員には先にプログラムを配布し、支店と協力会のメンバーには出発当日に渡していた。これだと支店と協力会メンバーは不利になる。そこで今回は本社社員に配布するのと同じタイミングでプログラムをメールした。


 往路、軽井沢までの新幹線は北陸新幹線。大宮からの乗車を希望する者とJRで東京駅まで来る者には先に切符を渡す。あとは当日に東京駅で渡すことになる。それから協力会メンバーは協力会からの補助金と残りは自費での参加となる。四宮が切符を受け取るのと同時にその費用を現金で持って来た。小林商事社員分は道後温泉へ行く計画時に既に準備されていたものを充てる。これで旅行会社への支払いは事足りる。協力会から受け取った現金が予備費となるわけだ。現金で支払うものは食事の際のアルコール類、電車やバスに持ち込む酒・つまみ類、二日目の昼食代、研修試験の賞品代などなど。それらの出費があったとしてもかなり贅沢が出来る計算だ。


 出発の前日。会社にかかってきた電話を今日子が受けて、それを社長につなぐ。

「浦田社長、古沢さんからです」

 嫌な予感がした。

「解った」

 そう言って社長は電話を切る。

「日下部、古沢は行けないって」

「うーん! キャンセルの手続きは面倒くさいんだよな。それに今からじゃキャンセル出来ないかな…。電車の切符は出来ないこともないけど、キャンセルすると、そこに知らない人が入ってくる可能性があるからな…」

「仕方ないよ。しなくていい。そのままで行こう」

 古沢にはそういうところがある。それが判っていても本人が「行く」と言うのであれば無視するわけにはいかない。





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