3.確定
3.確定
協力会会長の田辺から参加者の連絡が入った。田辺はもちろん四宮、穴井、岡本に初参加の宮城、東藤、金沢以来の斎賀の7名が参加することになった。小林商事側は病気の母親を抱える今日子以外の12名と併せて19名。
早速旅行会社にプレンを提示して見積もりを取った。同時にホテルとバスを押さえてもらうよう依頼する。
「ホテルは押さえました。ただ、バスが取れないんですよ」
こちらが希望している中型のサロンバスを持っているバス会社がなかなか見つからないとのことで一応、大型を仮押さえしてもらう。結局サロンバスではなかったけれど、出発ギリギリで中型バスは確保できた。あとは当日までにキャンセルが出なければいいのだが…。
電車の切符を購入する出発一ヶ月前。最終的な出欠を取る。協力会から斎賀と東藤が仕事の都合で行けなくなった。小林商事側では当日に鹿児島から親戚が出てくるという竹山と法事と日程が重なっているという仙台支店の新入社員、八重樫が欠席することになった。けれど、日下部にはもう一人不安要素がある人物がいた。今日子と同じように病気の家族を抱える古沢だ。日下部は直接古沢に確認をした。
「行くよ!」
本人はそう言うけれど、日下部にはにわかに信じられなかった。少なからず不安要素があるのであれば、結果、当日に行ける状況であったとしても今日子のように欠席すると決めてくれた方がよほど潔い。
往路の新幹線、復路のJR特急、希望する座席の配置を添えて旅行会社に切符の手配をする。14名分。これで準備万端整った。はずだった…。