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15.二次会へ

15.二次会へ


 カラオケが始まった。最初に歌ったのは宮城。初参加の洗礼ともいえるトップバッターを務めた。それから同じく初参加の須崎も歌った。途中で小暮が助っ人に入る。それから川島も十八番を歌う。大トリには井川だ。コンパニオンを両脇に侍らせての熱唱。否応なく盛り上がって来た。

 宴会もそろそろ時間になるという頃、コンパニオンのリーダーが日下部の元へやって来た。

「幹事さん、二次会はどうしますか?」

「ここのラウンジに行くつもりだよ」

「私たちも一緒に行っていいですか?」

「いいですよ」

「じゃあ、予約してきますね」

 一旦席を外すと、彼女はすぐに戻って来た。

「なんか、ここのラウンジやっていないそうです」

「そうなんだ…。じゃあ、部屋飲みにするからいいよ」

「あの、相談なんですけど…私たちはお部屋には行けないので外に行きませんか?一人3千円で飲めるお店があるんです」

「うーん…。小暮、どうする?」

「3千円ならいいんじゃないですか」

「よし! じゃあ行くか」

 話がまとまったところで、中締めを協力会会長の田辺に依頼する。中締めが終わるとリーダーが二次会の告知をした。そして、リーダーは送迎の車を手配した。

「そう言うことで、二次会に参加される方はロビーに集合してください」

「俺は部屋で待ってるから」

 井川はそう言って浦田、柿沢とともに部屋へ戻った。日下部たちは着替えるために一旦、部屋に戻った。そしてロビーに降りると川島とコンパニオン二人が待っていた。

「先発部隊はもう先に行っちゃったよ」


 先発部隊を送り届けたリーダーが送迎車で戻って来ると残りのメンバーを乗せて二次会場へと向かった。送迎車が駐車場に着く。二次会の会場はそこから少し歩いた場所にあるという。川島はロビーで待っている間に意気投合したコンパニオンと二人で話しながら先どんどんを歩いて行く。

「こちらになります」

 ほどなく目的の店に到着。

「えっ! ここなの? あの二人先へ行っちゃったよ」

 リーダーが慌てて二人を呼び戻す。どうやら川島と一緒に居たコンパニオンは店の場所を知らなかったらしい。


 店に入ると先発隊が既に着席していた。一様に浴衣のままだ。足元はホテルのサンダル。穴井に至ってはスリッパのままだ。部屋には戻らず宴会場から直行したらしい。ホテルに残った三人以外の10人がここに集まっていた。店にはママと女の子が二人いた。リーダーがママに声を掛けると、女の子たちがリーダーと何か話している。

「幹事さん、ご相談があるんですけど…」

 リーダーが言うには、ここに客を連れて来るはずだったところなのだけれど、急に中止になってあぶれたのだという。つまり、彼女たちの面倒も見て欲しいとの相談だった。店の女子だと思っていたのはリーダーと同じ会社のコンパニオンだった。

「いいよ」

 二つ返事で了解する日下部。

「彼女たちは別のお座敷だから、会社から手当てを貰えないの。だから現金で渡してあげてもいいですか?」

「いいよ」

 なるほど、そういうものなんだ…。日下部はリーダーに二人分の現金を渡した。何しろ金はたっぷり持っているのだから。





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