6話、嫌われもの
基本週1投稿できるように頑張ります!
訓練場の入り口には、さっき壁にめり込んだはずのアルが手を振って立っている。
「待ってたよ。遅かったじゃん」
レーナさんはアルが見えていないのか、横を素通りしている。そんな様子を見て
(もしかしたら見えてはいけないものが見えてしまった)
そう思い何も反応しないように横を通った。
「お〜い無視しないでくれ」とか言ってるけど
『反応したら駄目だ、反応したら駄目だ』
そう心の中で呟いて訓練所に入った。
その後、アルと合流した。やっぱりさっきのは幽霊だったらしい。
「あのーラル様、アルとの手合わせをお願い受けてもらえませんか?」
「俺はラルとなんか戦いたくないぞ!」
そういえばレーナさんには名前を呼ばれた事なかったけど....
「レーナさん「様」は少し..困ります」
「ではなんとお呼びすれば」
「呼び捨てでいいですよ!」
「俺は様付けでっつぐ!」
ドンッ!
「アル、静かにして」
レーナが我慢できずにアルの顔面に蹴りを入れた。
また何事もなかったかのように会話が始まった。
「呼び捨ては...ラルさん、これからそう呼ばせてもらいます」
僕の呼び方が決まったのはいいが周りが騒がしくなってきた。
「あいつだ。無剣の使い手」「落ちこぼれがなんでいるんだよ」「目障り」など、僕を批判する声が聞こえてくる。そんな中
「言いたいことがあるのなら直接本人に言ったらどうなの!」
燃えるような赤い髪に深紅の瞳の小柄な少女がラル達の方に向かって歩いてくる。
向かってくるのは少女だけてはなかった。
その近くを少女の2倍位の身長に筋肉ムキムキの見た目をした坊主の男が歩きながら言った。
「そうだよな~言いたいことがあるのなら直接本人に言わないと分からないよな~
なら皆、本人に直接言ってやれ!
『お前見たいな魔法が使えない奴は目障りだから消えろ』ってな!」
その男が言った途端に
周りの批判する声が更に大きくなった。
「私はそんなつもりで言ったんじゃない」
すかさず少女は反論した。
「じゃあぁ、どんなつもりなんだ?魔法も使えない落ちこぼれに何を言いたかったんだ?」
「私はただ、ただ……」
「『ただ』なんだ?その先を言わないと分かんないぞ~」
「いい加減黙れよ!」
ついカッとなって言ってしまった。
「誰に向かって言ってんだよガキ。魔法も使えないのに序列13位『双狂』の二つ名で呼ばれるヴァルタ、この俺に喧嘩吹っ掛けてんのか」
一度言ってしまったから戻れない。
「決闘だ!ルールはこの学園のルールに従う。誰か審判をやってくれる奴いないか?」
「お前本気でやるのか?せっかく逃げるチャンスをあげたのによ~!」
ここで逃げたら恥だ。
「審判なら私がやるわ!」
さっきの赤髪の少女が立候補した。
「ここで練習してる奴らは観客席でこのガキが負ける姿でも見てろ、」
そうヴァルタが言うと全員訓練場から出て観客席の方に向かった。
■
「ごめんなさい」
「何で君が謝るの?言い出したのは僕だから。僕を庇おうとしてくれてありがとう」
礼は言わないと…
「相手はこの学園の狂犬って呼ばれてる男よ。敵いっこない。今からでも謝れば…」
「謝る?何を言っているの?
僕がこの世で嫌いな人間は『人の優しさを馬鹿にする』そんな人間だ」
少女はその言葉に言い返せなくなっていた。
「わかったわ。もしあなたが負けそうになったらすぐに決闘を中断させるから」
「中断させる必要はないよ。多分負けないから」
そうして決闘の始まりの合図が
『3、2、1、開始』
この学園では、序列が存在します。2年からですけど。
主人公達の年は100人位入学しました。
なぜミラは何処にいるかって?教師達の話相手をしてます。