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異界転移録  作者: さつまかー
2/2

どうやらこの世界は異世界人に厳しいらしいので、不法侵入してみます

週に一回投稿できたら良いなと思います。

皆様からの評価やコメント、お待ちしています。

「ガイルさん、ヒューゴさん、今日もお疲れさまです。」

街へ入ろうとした矢先、門付近に立っていた傭兵に話しかけられた。

名前を認知されているところを見るに、二人はそこそこ有名なのかもしれない。

そんな事を考えていると、

「それで、そちらの方は?」

傭兵が、僕に話しかけてきた。

「はじめまして、天宮 時雨といいます。」

と言い、小さく頭を下げる。

そして、自分が異世界から来たという話をしようとした矢先、

「あの、失礼かもしれないのですが、もしかして、時雨さんって異世界人だったりしませんか?」

と、傭兵が言うのだ。

何故わかったのか、それも気にはなったが、話は長くなるだろう。

二人に迷惑を掛ける訳にはいかないので、

「はい。そうですけど...」

と、それだけ答えた。

すると、その言葉を聞いた途端、ヒューゴが、

「異世界人だと?

助けて損した。どうしてくれるんだガイル」

「まさか異世界人だなんて思わなかったんだ。」

続けて傭兵が、

「異世界人...それが本当なら、ここを通すわけにはいかないな。

金なんて持ってないんだろう?」

この言葉から察するに、異世界人は歓迎されるわけではないらしい。

が、そんなことは想定済みだ。

「ええ。持ってないです。では。」

といい、自ら身を翻し、門から離れていくのだった。


―――――――――



「さて、どうしましょうかね...

食料はどうにか確保できるとして、飲料はどうしましょうか...物理法則は存在してそうなので雨を待つしかない...川探しのほうが早いですね。」

と言いながら、街の周りを壁に沿って歩いていく。

一周してみたところ、門は二箇所、それ以外は3mは優に超えた壁に覆われていた。

そして、1つ気になった箇所があり、そこへと向かう。

気になったのは、ゴミ捨て場。

先程歩いた際に、一人の女性がゴミを捨てているのを横目で見たとき、そこには明らかに金属のようなものがあったのだ。

それらが本当に金属であるのかを確かめるため、ゴミ捨て場へと向かうと、見間違いなどではなく、其処には明らかに金属と呼べるものがあった。

それも一種ではなく、密度から考えるに、銅、鉄、アルミなど、種類に富んだ金属があった。

そしてその隣に、磁石が大量に。

これだけあれば、何でもできる。

いくつかの金属を持ち出し、街から離れる。

街から50mほど離れた場所へ行き、まず、腕時計を分解する。

元いた世界...元世とでも呼ぼうか。

そこで教わったことを頼りに、着々と分解を進めていく。

そうして生まれた素材を組み合わせ、一つの機械を作っていく。


―――――――――


「できた...」

明るかった辺りは既に暗くなっていて、寒さが増していた。

作ったものは、異空間収納装置。

元世で自らが考案し制作したものであり、完璧なものが作れた。

腕時計の素材と金属があれば制作できたものであるため、動作不調はなく、試しにメモ帳を収納してみると、ちゃんと入れられてちゃんと取り出せた。

この収納の優れている点は、容量が無限であること、サイズが小さいこと、どんなに大きいものでも入れられること、そして、言葉に反応して取り出せることである。

つまりどんなものでも、言葉を発せる状況であれば収納が可能なのだ。


―――――――――


完成してすぐ、ゴミ捨て場の金属、磁石類を全て収納し、ゴミ捨て場から離れた位置の壁へ向かう。

何をするか、それは、不法侵入である。

咎められる行為ではあるだろうが、まずバレない自信があった。

やることは簡単。

1.装置を投げて壁を超えさせる

2.自らが収納される

3.頃合いを見て出る。

あとは、人気がなさそうな場所でそれらを行うだけだ。

人の目がないのを確認し、壁の裏から人の声がしないのを確認。

確認が済んだその時、下投げで軽く装置を壁越えさせる。

ギンッ、と、金属が地面にぶつかったような音がした。

その音が響いたその刹那、

「天宮時雨、収納」

という。

身体は吸われるように壁を超え、転移待機に似た感覚が訪れた。

そして、

「天宮時雨、取り出し」

視界が暗転し、光を取り戻したとき、そこは街の中だった。

この話は面白かったですか?

もし、面白かったと思っていただけたのなら、星をつけていただけると幸いです。

また、面白いと思わなかった方も、正直に星をつけていただけるとありがたいです。

コメントでの指摘やアドバイスがあると、喜んで叫ぶと思います。

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