救世主ディオ参上!
ユーリンにメンタルをぼこぼこにされた俺氏は現在ボス部屋の前に来ていた。
自分がご飯を食べている間に人に偵察させるとか鬼畜かよ。俺、食料としてもらったの屋台の焼き鳥だけだぞ、うまかったけど。
俺も割とレベルは高い。次はちょっと武力行使で……といっても負けそうだな。
さて、ボスはジャイアントゴーレムのレッドアイらしいからな、あいつ手こずるだろうな~。まあ、助けてやらんこともないがな、わーはっはっはっは。とそこに、大地が震える声で威嚇してきたジャイアントゴーレム。ちょっと待て、こいつこんなでかかったか?ふつうは3メートルくらいなのに10メートルぐらいあるぞ。まさか、亜種か?こいつ、俺が仕留めるか。
「いつまでかかってるんですか?」
「うわぁ」
やばい叫んじまった。頼む、気づかないでくれ。
「ジャジャジャゴーレェーッ」
やっぱ気づいた~。これは立派な死亡フラグですよ、ユーリンお嬢様っ。
「あ、あれがジャイアントゴーレムのレッドアイですね。私、ジャイアントゴーレムのレッドアイ初めてなんです、たのしみ~」
「バカっやめとこうぜ、めちゃめちゃ強そうだぞ」
「あら?怖気づいたんですか?敵前逃亡は死刑に値しますよ?」
「ああ、怖いんだよっ。わかったらとっとと帰ろうぜ、な?」
「どこまでも弱い人ですね。いいですよ一人で帰れば」
俺は少し威圧的に言う。
「いいからっ、早く行くぞ」
おれはゆーりんの手首をつかみ、帰ろうとするが、
「やめてくださいっ、セクハラ防止コード使用しますよ」
さすがにそれはまずい、俺は少し悩んだ後仕方なく手の力を緩めた。
「なあ、頼むよ。俺の見たところそいつ亜種なんだよ」
「はあ?何を見たのか知りませんけどそんなわけないじゃないですか。大体、普通のジャイアントゴーレムだって見たことあるんですか?ないですよね、あの弱さでであっても秒殺ですもんね」
さすがに俺もむかついた。
「もういい、知らないからな!」
彼女は俺が背を向けるや否やさっそくジャイアントゴーレムの方へ近づいていった。なんかよくわからないがもやもやするな。とその時、
「きゃーッ」
甲高い叫び声が離れたここまで届いてきた。だから言ったのに、あのバカっ。
俺はボス部屋の前に来ると、スキンを変えて忍び込み、空からジャイアントゴーレムに剣を突きさした。
「大丈夫ですか、そこのお嬢さん?私が助太刀しよう」
「あ、あなたは……黒の勇者ディオ!」