第五十話「怪物を作ろう! part1」
「テイムできるゲームってそれだけで評価上がると思うんだよな」
「すいません、人身売買のことをテイムだと思ってる人はちょっと……」
違うわ。
即座に否定しようとして、ユアルの敵性存在がほぼほぼ実写の人間である事を思い出して閉口する。
これはまいったな。
「怪物を作るべきだな」
「もう何人かいない?」
そうじゃねぇよ。
俺は揚げ足取りに夢中な榎木を無視して倉本に話を振ることにした。
「敵対生物が野人だけってのはちょっとしょっぱいと思わないか?」
「イチから作るの難しいんだよねー」
「ふむ……」
流石に俺もそろそろ何かを作ってみるべきなのかもしれない。
「倉田、お前毎回どういうツールでMOD作ってんの?」
ちょうど今日は金曜日。土日の間に怪物を一匹作るぐらいなら何とかなるかもしれない。
「何とかなりそうにねぇなマジで」
帰宅しツールのいくつかを購入し、触ってみた印象はそれだ。
思考成形モードで大まかな型ぐらいは取れたが、そこから調整をするとなると途端に何から手を付けたものか分からなくなってしまっていた。
「どうしたもんかなぁ」
出来上がった丸めたパン生地に足っぽい4つの突起がついたゆるい生物。
それを眺めながらうぅむと唸る。
「これにモーションまで用意すんのか」
3Dモデルに攻撃と移動のモーションさえ作れば他はやっておくと言っていた倉田の顔を思い出す。
ずいぶんと優し気な表情だった。この最初の挫折を予想していたのだろうか。
「う~ん」
攻撃方法やらどこに湧くのかまで考えてはいるが、そこまで実装しようとすればいとも簡単に一ヶ月は時間が飛ぶ。
というか一週間で仕上げる倉田やら炭鉱マンやらが異常なだけかもしれない。
「目と口だけでも付けて色塗るか……アプデ繰り返してちょっとずつクオリティ上げてこう」
一旦皆に見てもらって意見を貰えばやる気も出てくる。
まずは作ろう。そもそもの目標はその先のテイム機能なわけだし。
【MODの動作に関する報告及び質問総合スレ】
304:森マン
新規MODを追加しました!
【モンスターMOD】
3Dモデルはクソ監督が担当してます!
まだ1種類だけですが、随時追加予定です!
305:名無しの開拓者
マジ?
306:PVPマン
嫌な予感がする
誰か先に見てきてくれないか?
307:名無しの開拓者
見てきたけど普通だったゾ
308:デスゲームマン
ではどんな敵だったんですか?
309:名無しの開拓者
モンスターだったゾ
310:炭鉱マン
こいつやってねぇわ
殺すぞホラ吹き野郎が
311:監督
品性がモンスター以下の方もおられますね
俺は悲しいよ
312:名無しの開拓者
出たわね
313:PVPマン
オラ情報吐けや
どういう手段を用いて最悪のゲーム体験を届けようとしてる?
どんな悪意をそのMODに詰め込んだ?
314:デスゲームマン
説明義務があると思います
315:監督
泣きました
俺は少しでも作る側の気持ちを分かろうと思って土日を費やして3Dモデルを作ったというのに
これまで偉そうに批評した分のカウンターが返ってきたとしても甘んじて受け入れる覚悟で来たのに
そもそも3Dモデル以外の担当は森マンだし、そういった態度は、俺はともかく森マンの心も傷つけていると思う
俺は散々にひどい物言いをしてきた
ひどい目にもあってきた
でも、全てはこの界隈の発展のため
差し出されたMODを全てプレイしてきたからだ
その前提を壊すのは、俺は良くないと思う
実際にプレイもせずただ強い言葉を浴びせる
これはユアラーとして胸を張れる行為なのか?
今一度、自分の胸に問うてみて欲しい
316:炭鉱マン
うーん……
317:グローバルマン
ムーヴィングなオレィションね
318:名無しの開拓者
確かになぁ
319:PVPマン
誰もつっこんでないけどユアラーって何?
あんまキモい名称でくくらんといてな
320:名無しの開拓者
そこまで言われたならMODを導入してプレイせざるをえんわな
いちユアラーとして――――
321:PVPマン
俺以外は不満ない感じ???
ユアラーの時点で胸を張れなくない???
322:炭鉱マン
まぁプレイせずに批判は違ったわ、ごめんな
ところで、起動時に味覚強化MODとの併用を強制される件についてなのですが
323:名無しの開拓者
俺は起動したで
ユアラーとして一歩““先””の世界で、待ってるからよ
324:炭鉱マン
俺あれ電撃より無理なんだけど
普通に翌日まで引きずる気持ち悪さなんだけど
325:森マン
一応導入してもデフォルトでオフになってるから大丈夫
326:炭鉱マン
こいつ任意のタイミングでいきなりオンにしてくる気だわ
もうダメだ、既に胃からなんかせり上がってきてる
327:監督
炭鉱マンはまだやりもせずに批判する気なのか?
やれやれ……
泣きました
俺は少しでも作る側の気持ちを分かろうと思って土日を費やして3Dモデルを作ったというのに
これまで偉そうに批評した分のカウンターが返ってきたとしても甘んじて受け入れる覚悟で来たのに
そもそも3Dモデル以外の担当は森マンだし、そういった態度は、俺はともかく森マンの心も傷つけていると思う
俺は散々にひどい物言いをしてきた
ひどい目にもあってきた
でも、全てはこの界隈の発展のため
差し出されたMODを全てプレイしてきたからだ
その前提を壊すのは、俺は良くないと思う
実際にプレイもせずただ強い言葉を浴びせる
これはユアラーとして胸を張れる行為なのか?
今一度、自分の胸に問うてみて欲しい
328:グローバルマン
ムーヴィングなオレィションね
329:名無しの開拓者
再詠唱は草
330:PVPマン
グローバルマンの反応も込みなの何?
331:監督
お? なんか感動してねぇやついんな
もっかいいくか?
332:デスゲームマン
いかねぇよ
333:名無しの開拓者
クソ監督は人の心がないから分からないのかもしれないけどさ
人を説得するときに「この言い回し刺さったな」って部分あっても丸々再詠唱するやつなんていないし、されても困惑するだけなのよ
なんか説教してる時に自分のエピソードトーク交えたとして、「おっ、反応良いな」ってなってその場でもっかい同じ話始めるやつ見たことある? ないよね?
334:監督
うるせぇな
さっさとMOD導入して地獄を味わえって言ってんだよ
腰抜けどもが
335:PVPマン
正体現したね
336:炭鉱マン
ったく最初からそう言えよ
今から起動する
337:水マン
それでいいんだ……
338:デスゲームマン
はぁ……
やりますか
339:名無しの開拓者
どういう精神状態なん? こいつら
340:名無しの開拓者
わからない
俺達は雰囲気でユアラーをやっている




