008
暖かい目でどうか・・・
「え〜ごほんごほん。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。」
恋尾学園の学園長が上がり、新入生を祝う。大抵どこの学校の学園長も学園長の挨拶が長く、うちの学園長も例外ではない。
去年の夏は長すぎて1人、全校集会中に学園長の挨拶で話が長すぎて熱中症で倒れてしまう生徒がいたんだよね〜。
しかも倒れたのは俺という。なんとも悲しい。
「え〜。私、去年丸山 太君を熱中症になるまで追い込んでしまったということで長時間の挨拶を禁止されてしまいました。なので手短に済ませます〜」
名前を呼ばれて太はなんとも思わないでいたが周りの連中はくすくすと笑っていた。
もちろんこれを聞いていた雅はかなり恥ずかしかったので、顔を赤らめてうずくまっていた。
(あのバカ兄貴〜。帰ったら腹パンをお見舞いしてやる!そして今度そんなことが起こらないように体力をつけさせないと。帰ったら母さんに相談だ!)
雅は学園長の話をまともに聞かないで家に帰ってからのことを考えていた。
まぁ大抵の人は学園長の話を聞いていない。
ただし、今年は1つ違うことがあり、皆それを聞いた時、驚愕していた。
「今年はね。うちは恋愛に力を入れようと思っています。」
学園長が言う・・・。
周りは・・・
「マジかよ」
と奇跡的な5人くらいのハモリが起きていた。
「何故こんなことをするかと言うとね。最近まともな恋愛ばかりする人が多いじゃない。しかもイケメンばかり、皆顔から入りすぎている!学園長は悲しいよ!」
学園長は熱弁している途中涙を流していた。イケメンではない男たち、そして普通の平凡そうな顔をしている女性たちももらい泣きしていた。
「いいか!世の中は顔だけじゃない!心!つまりは中身が大事なんだよ!」
学園長が言うとイケメンは「ふっ」と笑っているものが多かったが、イケメンなどではない生徒たちは溢れんばかりの涙を出していた。
「が、学園長。もうその話はやめにして下さい!また熱中症の人が出たらどうするんですか!」
先生の1人が学園長を止めに来る。しかし学園長は
「止めるな秋葉先生!今いいところなんだ!」
と腕を横に立てて止めるなと、秋葉先生と呼ばれた人に言う。
「ならば強硬手段でいかせていただきます」
秋葉先生は指をパチっ!とすると学園長の後ろにスルッと男が背後に現れ、
「御免」
パシッ
と首をチョップして気絶させた。
そして秋葉先生が壇上にたち学園長はスルッとした体系の男に引きづられていく。
「なんか色々ついていけないんだがお前はどうだ太?」
時夫は秋葉先生が喋る前に学園長の発言に対しての意見を聞く、時夫は周りの奴ら同様太ももらい泣きしていると思っていたが、余裕の表情で太は聞いていた。
「ああ恋愛に力を入れるって話かい?いいんじゃない?まぁそんなことすれば僕は女性のまとだよね」
太は言うのが告白されまくりの意味の発言だったがそれを聞いた周りの女子は。
(それはない)
と心の中で思っていた。ただ1人を除いて。