007
体育館に着いた太達は入学式が始まるのを静かに待っていた。他のクラスはバリバリ喋っていたが、こちらのクラスには鬼の風紀員である鬼島がいるために喋れないでいた。
これじゃ恐怖政治じゃないかと思っていた太だが、さっき怒られたばかりか、怖すぎるので何も言えずにいた。
ただ喋っているクラスの方を鬼島がガンつけると、次第に目があったクラスから静まっていき、数分経つと、体育館の中は静寂に包まれていた。
まだ小声でボソボソと喋るクラスの人もいたが、鬼島はなぜか満足げのような顔をしていたので関わらないようにした。
「えー。それでは恋尾学園の入学式を始めたいと思います。」
やがて、先生が出てきて、入学式が始まる。
新入生の担任の教師が体育館の端っこに座り、司会の先生は壇上に立つ。
学園長も壇上の真ん中に立ち、体育館には新入生が入場できるように真ん中の列を開け左に2年生。右に3年生の形となっていた。
「では入場していただきましょう!恋尾学園の新しい学生たちです!それではみなさん大きな拍手でお出迎えください!」
司会の先生が言うと、周りの2年生、3年生は言われた通り、拍手を始め、体育館入口から新入生が入場してきた。
入場している新入生を見ながら時夫は太に喋りかける。
「どうだい親友?お眼鏡にかなう子はいたかい?」
ふっ。愚問だな。
と思いながら太は堂々と時夫にいう。
「そんなもの一択しかないよ。他の子なんて目に映らないよ。一番可愛いのはマイシスターなんだからさ!」
太は小声で時夫に言う。
「全く。筋金入りのシスコンだな。そんなんじゃいつまでたっても彼女なんてできないぜ?太は面白いやつだからモテるとは思うけど」
「だろ?流石親友!よくわかってるじゃない。俺のこのふくよか体系と食事量をゆうと女性はみんな俺に対して化け物とか言うけど普通だよね〜。」
俺のことこんなにわかってくれるのは時夫だけだぜ。全く、持つべきものは本当に親友だよな!
太は時夫の存在に本当に助けられていたのでこう喋りかけてくれるのは本当に嬉しかったのである。
時夫と喋っているとやがて雅も入場してくる。
「あ!おい太、雅ちゃん入場してきたぜ!」
時夫が言うと太はどこだ!どこだといった風に探す。
そして入場している雅を見つけたが、2年生と3年生で雅を狙っているような目でいる奴が多かった。
なんでわかるのかって?昔から雅ちゃんはモテるからだよ。それに俺の妹だしねー。モテるのは当たり前だよ。
と太は思っていると周りにいる2年生や3年生が雅の後に入場してきた女の子を見て言う。
「すげーあの子サラサラな白髪のストレートロングヘアーで超可愛いな。」
モブAが言う。太はその白髪の女の子を見ると、たしかに綺麗な髪をしており、顔も可愛い方で、体系もそこそこの女の子であった。
まぁ雅ちゃんには敵わないけどね。
「はぁ。お前のことだからあの子見てもまだ雅ちゃんの方が可愛いと思ってんだろ?」
流石親友!わかってるぅ〜
と思う太だった。
入場してきた新入生は体育館の真ん中あたりの決められた席に座り、数十分後、入場が終わった。