005
どうか温かい目で読んでください・・・
太がクラスに合流して列を整えた後体育館に向かっていた太のクラス2ー6は歩きながらクラスの人との交流を深めていた。
「あ、あたりがなんてこったよ」
太は聞こえないよう心の中で思う。
イケメンが多い、俺には劣るがなんでこんなにこのクラスにイケメンが密集しているんだ。しかも女も美女ばかり。これは、これは
「ハーレムではないかー!」
太は興奮していたのか、最後の方を声に出していってしまった。言うと周りの女子は笑っていた。
「あはは。何言ってんの?丸山くんおもしろーい。自分の体型見つめ直してからいえばー。」
女子Aは言う。
「全くだよ。己をよく知り、見直してからそのセリフを吐くといい。丸山」
ちょっとたくましそうな体をした女子Bが言う。
「マジでウケるんだけど〜。私が〜あんたみたいな〜童貞臭そうな男に惚れんわけないじゃん〜。まぁお金出したら少しは考えてあげる〜あははは。」
ギャルでバカっぽい女子Cが言う。
最後のやつバカのくせに腹立つな〜。誰がお前みたいな金さえ出せばなんでもするようなやつ好きになるかよ。このふくよかさのわからないやつらには価値なんてないよ、全く。世の中は体型なんかじゃないんだよ!
ここまでを心の中で思うと最後の本音だけが声に出る。
「男は体型や顔だけじゃない。心さ!」
ドヤ顔で決めている太を見て今度はイケメンたちまで笑い始めた。
「あはは丸山。マジでおもしれぇな。お前将来大物になるぜきっと、あはは、やばい腹痛くなってきた。」
クラスの皆が大爆笑しながら歩いていると先頭を仕切っていたものが怒る。
「おい君たち!これから私たちは新入生の見本とならねばならないのにいつまで笑っているんだ!やがて体育館に着くからもう笑うのはやめなさい!」
先頭を仕切っている女はすごく気の強そうな女の子だった。その子がクラスのみんなに静かにしろと言うと、後ろにいたクラスのイケメンや美女は一気に静まった。
「あの子すごいね。クラスのイケメンどもを黙らせたよ。」
一人つぶやいている太に時夫は小声で喋りかけてきた。
「なんだお前、鬼島のこと知らないのか?」
「鬼島?聞いたことないよ。」
鬼島なんていたっけ?学年で噂になってる人は見ているはずなんだけどな〜。主に自分の事を凄いと広めてくれる噂しか聞かないけど。ああこれ結構肝心ね。
太が思っていると時夫がため息をつきながら、「全く、お前といると飽きないよ本当」と小声で言った後に、鬼島と呼ばれた女のことを紹介する。
「彼女の名前は鬼島 拳子。別名 剛拳の鬼島」
ひぇぇぇ。そんな人同じ学年にいたのかよ!こわぃぃぃ。
あだ名を聞いた後ビビりまくる太、いつもの自信に満ちた表情でいる太にも暴力だけは怖いのである。
なら妹のパンチはなんだって?そんなもん決まってるじゃないか。あれは雅ちゃんの愛情表現だよ。なんども言わせないでよね。
なんとも区別がつかないような言い訳だった。