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太が屋上に向かうと、1年の成尾と3年の多羅と剛は集まっており、残りは時夫だけだった。
「やっときやがったか。おい、デブ。もう1人はどうした」
剛は太に聞く。
「先輩、いくらなんでもデブはないじゃないですか〜。俺には丸山 太という立派な名前が」
「あぁん?」
太はデブと言われて、この先輩ひでえやつだなと思いながらもう一度自分の名前をいうと、剛はめんどくさかったのか太を威嚇する。
「お前なんてデブでいいんだよ。デブ以外で呼んで欲しいなら痩せやがれ」
「はい、すいません。もうデブでいいです・・・」
太は剛が怖くなり、もうデブで納得することにした。
「でもう1人のやつはどうしたんだよ?まだこねぇのかよ?」
「時夫なら遅れてきます。時夫は先に始めて下さいと言っていました」
剛は少しイラつきながら、
「仕方ねぇ。できれば全員の意見を聞きたかったが、今この場にいる4人で先に話すか」
と剛が仕切っていると屋上に入るドア付近にいた成尾が
「早く済まそうよ。僕はあまりむれるのは嫌いなんだ」
「あぁ?てめぇ先輩に対して口の利き方がなってねぇんじゃないのか?」
剛は成尾の反応にイラつき、成尾の前にまで行って威嚇する。
「はぁ。これだからバカの相手は疲れるんだよ。こっちだって本来こんな呼び出しにはきたくなかったけどな、今後の効率のためにいいと思ってわざわざきたんだ。早く話を済ませろよ。ヤンキー先輩」
成尾は剛に言うと、剛は一気に怒りが限界まできて、
「おし、喝入れてやるから。歯ぁくいしばれや!」
剛は拳を固めて、成尾を殴ろうとする。成尾は避けるそぶりを見せなかったが、剛が拳で成尾を殴る前に多羅が剛の拳を手で止める。
「暴力はダメだよ剛、我慢しなきゃダメだ」
多羅にそう言われて、剛は「はっ!」と我にかえり
「あ、ありがとう多羅。またやってじまうところだった」
「構わないさ。一概に君のせいだけではない。あの1年も悪いのさ」
多羅はそう言って、成尾の前にまで行き、
「人を見下してばかりいると足元をすくわれるよ。ガキ」
と言う。成尾はそれを聞いてなぜか笑う。
「あっはっは。この委員会、バカばかりじゃないみたいだ。楽しめそうだよ。じゃあいつじゃなくて先輩が仕切ってくれよ」
あいつと言って、剛を成尾は指差し、剛はそれを見てまた怒りがこみ上げていたがなんとか堪えていた。
「いや、私はに人を率いるべき人間ではないから、そういうのは剛の方が向いている」
「いや、そんなことはない、きっと先輩の方が向いている。確かあんたの名前は・・・そう!多羅さんだ。多羅先輩の方が向いている」
「残念だが私はやる気が起こらないので指揮は剛に任せるよ。私は仲裁役で構わない」
成尾はそれを聞いてまたなぜか笑い、
「わかった。じゃ多羅先輩の言う通りにしよう」
3人の話はそこで終わり、次に本題の話を剛が口にした。




