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恋愛委員会のメンバーがそれぞれ帰宅する中、屋上に向かった丸山兄妹は・・・
「マイシスター!屋上に来てまで何をしたいんだい?マイシスターのご要望ならなんでもやろうじゃないか!」
マイシスターよ。2人きりになりたいなら家出言えばいいのに。まぁあれだけ人数がいてあんな愛情表現されれば照れるよね。ごめんごめん!
太は1人勝手に妄想している。
「バカ兄貴、もう高校生になったんだし外でこういうことするのやめなよ。私だって年頃の女子なんだよ?こんなことばかりされてちゃ男できないよ」
真面目な顔で雅は言う。
小学生の頃からこうだった。特に最初はなんとも思わないでいた。どうせ太が卒業して一年はあるから一年で彼氏くらい作れるだろうと考えていた。しかし、雅には全くできないでいた。
「ふっ。今更だろマイシスター。高校生になろうが関係ない。このやり方を俺は貫くよ!」
「バカ兄貴はいいかもしれないけど私はもう彼氏が欲しいの!そして一回くらいはイチャイチャしたい!」
「いや、彼氏を作るなら俺を納得させないとそんなクソ彼氏は絶対認めないからな。だからしばらくマイシスターには彼氏は作らせないよ!」
「なんでバカ兄貴がそんな私のことを勝手に決めるのさ!出来ようができまいが兄貴には関係ないでしょ!」
雅はなんども太に訴えかけるが太は頑なに拒否する。
「マイシスターよ。今は恋愛委員会の中でしか男を選べないのだぞ?まさか好きな奴がいるのかあの中に!」
「・・・バカ兄にだけは絶対に教えない。私は昔からその人のことしか見ていないから。だから自己紹介での好きなタイプはああいう感じで言ったの。バレたくはなかったから」
「バレたくないなら何故今俺に言うんだい?マイシスター?」
「私に好きな人がいるってわかれば家でしているキモい愛情表現が消えるかと思ってね。とりあえず家の中でならああいうキモい愛情表現はいいけど学園、外ではやめてよね」
それだけ言うと、雅は屋上から降りて先に帰宅する。
太は雅に好きな人がいる、しかも恋愛委員会の中にいるとわかったことにより、その場で色々考えていた。
「そんなまだ集まって2日しか経っていないのにすぐに好きな人ができるなんて。これはやはり俺が雅ちゃんを守らねば!よし、なおのこといつものやつを続けようじゃないか。それに今更やめるなんてこの漢、丸山 太にできるわけないではないか!」
太はより一層、雅のキモいと言われた愛情表現に力を入れることを誓い、そのことを考えいた。
しかし、もう夜になりそうだったので昨日と同じご飯は嫌だったので、急いで太は家に帰ったが、太の足じゃ早く帰れるわけもなく、夕食は昨日と同じレタスをちぎったものと一品綺麗に盛り合わせたものがあった。




