030
「ではこれで今日の委員会は終わりです。みなさん寄り道せずに帰ってくださいね〜」
豊臣先生の一言で委員会は終わり解散となる。
「ふぅ〜。やっと委員会終わったな。今日はいろいろ大変だったけど調子はどうだよ太」
委員会が終わって、時夫は太の座っていた席まで向かい、喋りかける。
「まぁ色々大変だったが何事も揉め事がなくてよかったよ。特に暴力とかなくて」
「えっ?何言ってんだよ?お前雅ちゃんに殴られてたじゃないか?」
「なんども言わせないでよ。雅ちゃんのは暴力じゃない!愛なんだよ!」
太は特に「愛なんだよ!」というセリフを強調する。その場にいた雅は恥ずかしくて恥ずかしくて仕方なかった。
そして雅は赤面しながら、太のもとではまで来て
「兄貴、ちょっと話があるんだけど教室の中じゃなんだからちょっと屋上までに行こう」
太は、雅にそう言われた時、
ふっ、マイシスターったらせっかく俺がアピールしてるのに恥ずかしがって。全く、最高に可愛いマイシスターだぜ!
「親友、俺はマイシスターの愛に応えに行くからまた明日な!」
「お、おう。頑張れよ」
太は右手を上げて、あばよという感じの合図を出して教室から出て行く。時夫はそれを見ながら
あいつはいつになれば雅ちゃんの苦労がわかるんだろうな・・・。強く生きろよみやびちゃん。
と思っていた。
「さてそれじゃ俺もそろそろ帰るけど鬼島さんはどうする?」
太が向かって数分後、時夫は教室に残っている拳子に話しかける。
「お気になさらず、私ももうすこししたら帰りますので。いや、やっぱり古河くん待って!」
時夫は拳子にお気になさらずと言われたのでいわれた後すぐに教室を出ようとしたのだが、拳子に引き止められる。
「なんだい?鬼島さん?俺ももう帰るけど君ももう帰るなら用事はないだろう?」
「待って、お願い!同学年だし、さっき巻き込んだついでにお願いがあるの」
「巻き込んだということは朝の不良か?」
コクコクと頷いた拳子。時夫は聞いた以上は放っては置けないなと思い。
「わかったよ。でもあまりあてにはしないでくれよ。俺こう見ても強いわけじゃないから」
「大丈夫、手を出して来たら私が対処するから。今までを見て、古河くんは場を静めるのがうまそうだからその技術を生かしてお願いね」
「へいへい。わかりましたよ。そんじゃ帰りますか。それでどこまで一緒に行けばいいんですかいお姫様」
冗談っぽく時夫は言う。お姫様という言葉をもらえて嬉しかったのか、拳子は赤面しながら。
「・・・とりあえず校門まででいいよ」
そう拳子はいい、時夫と仲良く帰る。
残りの委員会メンバーは各々で帰り、和美も今日は太の後をつけずにまっすぐ帰り、剛と多羅も2人仲良く帰宅した。




