018
下駄箱での告白に時夫は動揺して太に尋ねる。
「お、お、おい。お前、あんな美人ちゃんと付き合ってるて本当か?」
「た、たしかに告白はされたけど断ったよ」
時夫は太が断ったと聞いて安心する。
「よ、よかった。俺より早く太が付き合うだなんてなんかわかんないけど嫌だからな。もちろんあれだろ?恋愛委員会じゃないから断ったんだろ?そうでなきゃこんな美人さん・・・」
「いえ、古河先輩。私も恋愛委員会所属ですよ」
和美が言うと、時夫は太に詰め寄って
「なんでこんな美人さんから告白断りやがった馬鹿野郎!」
となぜか怒っていた。
どっちなんだお前はと太は思いながら、
「まぁどうせ恋愛委員会は昼に集まるんだからその時にまた話そう。ここでだべってて遅刻するなんて嫌だし」
時刻はもうギリギリだったので時夫は
「わかった。断った理由後で教えてくれよ」
そう言って先に時夫は教室へ向かう。
「なんであんなこと言ったんだ?俺は君の告白を断ったのに?」
「何言ってるんですか。いずれは恋人になる予定ですよ。大丈夫、悪い虫がいたら排除しますから」
悪い虫という言葉の部分だけ和美の表情は恐ろしかった。
今にも人を殺しそうな目で見られていたようで本当にちびりそうにもなった。
「こ、こんなデブの俺なんかより君に釣り合うもっといい人なんていくらでもいるだろう?」
太は和美とは付き合いたくない一心で言った。
だってそうでしょ、俺葵ちゃんと付き合わない限り平穏来ないじゃん。モテ期来ないじゃん。
そもそも太にはモテ期などない。
「なんか今誰か失礼なこと考えていたような」
「先輩には私がいれば十分。で・す・よ・ネ?」
ま、まさかこの子・・・
「ヤンデレなのかな?」
「ヤンデレって何?先輩。私はただ先輩に恋してるだけですよ?」
ニタァっと和美は笑い、太はマジな恐怖を感じる。
「ま、まぁ遅刻したらあれだから、また昼休み、ね?」
「わかりました先輩〜。また後で〜。」
和美は自分の教室に向かい、太も自分の教室に向かった。
教室に着くと、すでに拳子は教室で自分の席に座っていた。
「き、鬼島さん!」
「丸山くん。私より遅いのは感心しないな。せっかくあの新入生たちを軽くもんで急ぎ足で教室まで来たのに」
「いや、俺のこと庇ってくれた女生徒にお礼を言っていて。ごめんなさい」
なぜか太は鬼島に謝る。
「なぜ謝るかはわからないが、さっきのアレについては後で時間があるときにこってりと絞ってあげるよ」
ここで鬼島もなぜか楽しいのかはわからないがニタァとしており、
鬼島ってまさかドSなのか・・・
太はかなりビクビクと小刻みに震えながら昼まで授業を受けた。




