014
翌日、太は腹ペコ状態で起きる。
クソゥ!昨日夜あまりご飯食べられなかったから気持ち良く眠れなかったしすごい腹ペコだよっ〜!
グゥ〜グゥ〜グゥ〜
「うるさいよバカ兄貴!何で壁分厚いはずなのに私の部屋にまで腹の音が聞こえるのよ!」
「ふっ。マイシスター朝のこの気分が悪い、腹が減っている状態で目覚めたけど、マイシスターの顔を見ると俺のお腹も鳴り止むさ!」
キメ顔の太は朝のおはよう風に雅に言う。しかし腹の音は・・・
グゥ〜グゥ〜グゥ〜・・・ぎょるるる!
腹の音は鳴り止まないでいてなおかつ何か腹を下したかのような音がしていた。
あれ?おかしいな腹が減りすぎてお腹まで行かれちゃった系?
太は腹が減りすぎて真っ白になりかけていた。それを見た雅は
「か、母さん!やばいよ兄貴マジで死にかけてる!なんかない!」
雅はバタバタしながら2階から下に降りてリビングで朝食の準備をしている母親に言う。
み、雅ちゃん、流石自慢のマイシスターだよ!こういうところがあるから可愛いだよな〜。あーしかし何だろ?なんか頭に小さな羽の生えた天使みたいなやつが。
頭の上に天国のお迎えが見えてきている太、そこに急いで雅は戻ってきて、太の口に何かを放り込む。
太は口に放り込まれたものを
ゴクリ!
「こっ、これは!昨日の夜食べた味!まさか!」
「そう。母さん特製の野菜の詰め合わせ、レタスオンリーだよ」
口の中に細かく刻まれたレタスを放り込まれ、それを飲み込んだことで一応太は戻ってこれたが未だに腹ペコだった。
「ほらお腹空いてるなら早くリビングに行くよ。今日は早く準備すればご飯5杯は食っていいらしいよ大盛りで」
「今から準備するから!」
雅の言葉を聞くと、雅が部屋にいるのにも関わらず着替えるために服を脱ぐ太、雅はそれを見て
「あのね。急ぐのはいいことだけど私が部屋から出てから着替えなよ」
と冷たい視線で言われる。
「マイシスターに見られるなら構わないさ。なんならマイシスターも脱いで」
雅は服のポケットに入れてあった携帯を取り出し、
「もしもし?警察ですか?家にわいせつ行為を働くデブがいるんですけど」
待って待って待って!やりすぎ〜。
「ま、マジで電話した?」
雅はため息をつきながら
「するわけないでしょ。でも次やったらマジで怒るからね。今クソ兄貴を攻撃しないのは弱っているからだよ。下手なところに攻撃決めて死んだりしたら後味が悪いからね。それじゃ先にリビングに行ってるよ」
雅がそう言って太の部屋から出て行くと太は急いで着替える。
もう腹が減りすぎて限界だからさっきの絡みのことはもう考えないでいた。




