012
「えっ?ごめんもっかい言ってくれない?」
ちょっとあの子の言ってる意味がわからない。付き合って?まさか・・・
「俺をボコる気か!そんな甘い罠には引っかからないぞ」
告白をされたことがないかのような返答をする太。
仕方ないじゃん!今までそんなこと言われていいことあった試しがないんだし!みんなこのイケ顔と豊満なボディに嫉妬してるから昔からのこう言う呼ばる方あったけどろくなことがなかったよ!
太はいじめられていたのを全く自覚しておらず逆に僻みだと感じていた。
白髪の女は太の反応を見て苦笑していた。
やはりこのアマ、俺を騙す気だな!そうは問屋がおろさないぞ!
そう太が思っていると、白髪の女は真顔で言う。
「わたしはあなたのその体型と顔に惚れてしまったんですよ、玄関で蹲っていてちゃんとはわかりませんでしたがなぜかあなたを見た時、こうビビッと!来たんですよ」
まともな告白だと・・・しかしな〜恋愛委員会は委員会の人としか恋愛出来ないからな〜。
そう思っている太に白髪の女は言う。
「大丈夫ですよ。わたしも恋愛委員会ですから。自己紹介がまだでしたね。私は新入生の葵 和美と言います。」
「どうもご丁寧に。俺は丸山 太。入学式の時見てたから名前は知らなかったけどあなたのことは知ってたよ。葵さん」
太がそういうと和美は目を輝かせながら、
「嬉しい。私のこと見ていてくれたんですね。で告白の返事はどうしますか?先ほども言った通り、私は恋愛委員会所属ですから違反にはなりませんよ。どうですか?」
太は考える。なんせまともな告白を受けたことがないから、それに和美は体型もいいし、顔も悪くない。しかし・・・
「ごめん。その告白断らせてもらえよ」
太は和美の告白を断る。
「・・・理由を聞いてもいいですか?」
「僕は人を見た目で見て好きにはなりたくない。人を好きになるにはお互いのことをよく知る、まぁよく知るまでは無理だと思うけどある程度わかってからの方がいいんだ。この人なら俺を受け入れてくれる。そういう人じゃないと嫌なんだ。」
まともな理由を太はいい、まともすぎて和美は納得するしかなかったが、和美の顔を見るとまだ諦めていない様子だった。
「そうですか。しかし流石私が見た目で惚れてしまうような方です。今回は引きますが、これからは私を知ってもらえるようにアピールしますので覚悟していてくださいね太先輩」
ウィンクして和美は屋上から去っていった。
それを見届けると太は空を見つめながら
「もったいねぇことしたな〜」
とぼやいていた。
数分後、太はお菓子タイムが終わるとゴミなどを鞄の中にあるスーパーの袋に入れて持ち帰り、屋上から出て行き、そのまま学校を出てまっすぐ自宅へと帰宅した。




