ばあちゃんの喜び
引き続きばあちゃん視点です。
どうもサティア・ルミナスです。
昨晩愛しいヴィル君に魔法をお見せしましたが、今朝はどんな反応を示してくれるのか楽しみでなりません。
朝食でヴィル君と顔を合わせると可哀想にきっと昨夜眠れなかったんでしょう。大きなクマがついています。
心配な気持ちを表すためにとりあえず
「おやおや、大きなクマがあるねえ。寝れなかったんでちゅかぁ?」
煽っておきましたが、なんの反応も示しません。
いつもなら怒鳴って言い返してくるところですが、よく観察してみるとこちらをチラチラ見たり上を見たり挙動不審ですね。
キョロキョロするのはヴィル君の考える時の癖なのできっと昨夜のことを切り出そうか迷ってるんですね。
そうとわかると私は彼の言葉を待つために黙ってご飯を食べ始めるのでした。
ちょうど私とヴィル君がご飯を食べ終わったタイミングでついにヴィル君の口が開かれました。
「ばあちゃん。」
待ちに待った言葉ですが、この子の言葉に嘘がないかしっかりと見定めさせていただきましょう。
「俺に魔法をおしえてくれ!」
思ったよりも直球できたので少しびっくりしましたね。もっと遠回しに来ると思っていたので意外です。この子も少しは空気が読めるようになったみたいですね。
「さて、どうしようかねえ。どうしてか理由を聞かせくれる?」
そして用意していたセリフを言います。すると、
「俺はもっといろんなことが知りたい!昨日見た魔法はいったいどうやってるんだろうって考え始めたら夜も眠れなくなるくらいいろんなことが知りたい!だから魔法を教えて欲しい!」
堰を切ったようにヴィル君はその心の内をさらけ出して来ました。これは彼が真剣な証拠ですね。ここで私が求めていることを正確に出してきましたね。
よろしい合格です。私は笑みを浮かべました。
「よく言った!それでこそ私の孫だよ!でも覚悟しときなよ。私の訓練は厳しいからね!」
「当たり前だ!」
打てば響くように返ってくる彼の返事に満足しながら今からの練習の準備を始めました。
もはやばあちゃん感がなくなってきた。