表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/38

『こぼれ話』と書いて、本編次回予告!(『恋する男と書いて』・・・編)

 細いが粘りのある鋼で作られたスポークはほどよいクッションで、軽快な轍を刻んでいた。

 心地よく揺れる馬車の中で、ユリはウィプスに照らされて分厚い本のページを繰っている。傍らからひょいと覗き込んだスライムが、驚きの声をあげた。

絵草子マンガじゃない! 珍しいな、辞書なんか読んでるのは。」

「キザ臭い。」

「どんな匂いだよ。作者アザとーの匂いかっつーの。」

「ピザ臭い?」

「あー、あー、もう! 『キナ臭い』な。もともとは紙や布がこげる匂いのことを言ったんだ。つまりは火事場や戦場の匂いだな。そこから徐々に、『何か事件が起こりそうな、怪しげな』みたいな使われ方をするようになった言葉だ。」

「……長い。」

「要するに、何か事件が起こりますよ~って言う伏線フラグだ。」

「ヤヲ、新装備。」

「おお、『巨人斬』な。」

「フルチ……」

「フルンティングっ! 女の子がソレを言うなあああああ!」

「ヤヲ、強い。」

「うううん、どうかなあ? もともとのフルンティングってのは、古代イングランドの叙事詩『ベオウルフ』に登場する剣でな、巨人グレンデルを仕留め、次いでその仇をとりにきたグレンデルの母親との戦いに挑む主人公のベオウルフに、フロースガール王の廷臣ウンフェルスが貸与したものだ。古より伝来する名剣で、刀身は血をすするごとに堅固となるという代物だが、肝心のグレンデルの母親には一切通用しなかった。

ベオウルフは、洞窟内で見つけたヨートゥンの剣を使ってグレンデルの母親を倒し、フルンティングは結局、見せ場無しという……」

「ZZZZZZZZ……」

「こいつ、俺が話し出すと良く寝るよなぁ。」


 

果たして、ヤヲの見せ場はあるのか? それとも、彼はやはりフルンティング?

お楽しみにっ!

そりゃぁ寝るよね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ