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12.蛇に手足をつけて、角や鬣もつけちゃいました。蛇が竜に!超展開もテンプレです?

 怒涛の一日の翌日は、やっぱり怒涛の一日だった。

 思い返すだけでも疲れられる一日だったわけなのだが、どうしてこうなったとかなり本気で思ってしまった。だから思い返してみる。

 まず、朝。母にたたき起こされた。日が昇りきる前から妙にテンションの高い母の手によって、俺変身。化粧すげー、女ってこえー。平凡をちょっとマシにしたような俺はどこかに失せ、美少女もどきが出来上がった。

 それが終わったら大広間に移動し、そこから王都の王城に移動。既に準備完了な面々を前に、床に何かを書き込みながら三兄が説明してくれた。よくわからない用語を百回くらい噛み砕いて要約すると、大地の精霊の力を借りて地脈を移動するものなのだという。それもかなりの長距離を短時間で。つまりは、魔術チートと人外ハーレムの成せる技なのだと納得した。因みに、昨日もこの術で移動したらしいが、昨日は三兄ひとりで行ったらしい。今日はチート御一行の力をあわせたとか。

 船酔いか何かでグロッキーになりかけた俺を長兄が抱え、その足で王族の居住区画に。で、一家揃って陛下にご挨拶。突然の訪問に驚いた様子の陛下だったが、父に何を言っても無駄だと理解されているらしく、任されたと頷かれていた。挨拶が済んだらもう用が済んだとばかりに、母は俺に頑張ってねとウィンクし父に抱きつき、父はそんな母を抱きかかえると――魔術で帰っていった。ひょいと。三兄が言うには、大気の精霊の力を借りて空を飛んで帰っていたとか。さすが父、チート具合は兄たちの上を行く。

 場所を移そうとカリヤ殿下の案内で俺の部屋がある離宮に向かう途中、どこから沸いて出てきたのかと思うくらい、わらわらと文官武官その他諸々の人たちが現れた。イニシャルGの昆虫も真っ青な勢いでだ。知らない人、怖い。しかもこっちを見る目が血走ってるとか。その人たちの目標がカリヤ殿下と長兄となれば、長兄の腕の中ほど危険な場所はなく、俺の居場所はリーンの腕の中に。口々に何か言う人の群れは途切れることがなく、案内はそこでカリヤ殿下からジーベルに。……で、ついでに次兄が逃げた。魔法をつかったために疲労してた三兄を休ませないと、などとついでに言いつつ担いで。

 それからは特に何もなく、無事に離宮の一室に落ち着いたわけなんだが――カリヤ殿下が手配してくれていた女官と侍女たちを追い出して鍵をかけ、カーテンを全部閉めて、布団を被ってやっとひと息つけた。王宮怖い。なに、あの女官と侍女の人たち。なんで俺を見て目を輝かせるの?

「もう嫌だ、俺、引きこもるから。

 誰がなんと言おうと、絶対、引きこもるからっ!」

「キャズ様ぁ、まだ王宮に来たばかりですよぉ。誰も彼もがキャズ様に害をなそうをしている訳ではないのですからぁ」

 宥めるようにエルダは言うが、絶対に無理だって自信がある。

 無理無理無理と必死に縮こまる俺にリーンは呆れたような表情を浮かべ、「まあ」と呟いて寝室から居間へと続く扉に視線を向けた。

「少しずつ慣れていけばいいんじゃないでしょうか。

 彼女たちもキャズ様の世話は必要ないと言われているそうですし、この離宮は人の近付かない一角にあるそうですし」

「その様ですよぉ。それにぃ、ヒルバール様を見ていたらなんとかなりそうな気がしてきませんかぁ?」

 同じようにエルダも居間にと視線を向けた。

 どうしてここでヒルバール女史の名前が出るかといえば、彼女も俺と同様に巻き込まれたから。俺の家庭教師続行と母に決められ、俺達と一緒に王城まで来ているから。で、あまりの急変具合についていけず、今は居間で放心状態だ。

「……意外と、早く順応できる気がする」

 それに、あまり女性陣を無碍に扱ってはとカリヤ殿下に俺が小言を貰う破目になるだろう。悪いのが向こうだとしてもだ。

 前途多難。お先真っ暗。

 こうなったら俺の唯一の楽しみでもある農業を――。

「あ」

 色々ありすぎて忘れてた。俺のホワイトアスパラ。あの日から水やりにも行けてないから、確実に枯れてる。

「キャズ様?」

「どうかなさいましたぁ?」

「……寝る」

 心配そうに声をかけてくれる二人には悪いが、俺は寝ることに決めた。もう決めた。



 そんな訳で、俺の転生異世界ライフは王城に居を移した。

 当然のようにチートが出来ない、微妙な生活が待ち受けていることが、容易に想像ついた。俺、十歳のことである。


     おわり。

と、いうわけで、周りに振り回され続けるヒーロー(この場合、ヒロイン?)のお話でした。

巻末おまけ?として、登場人物メモをアップして終わります。

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