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王の座

想です。

なんとか終われました。

これからも、他の話を出すので、

その時は、宜しくです。

 「カシ、ルースは?無事なのか?」

 ヨシュアが、老将に聞いた。


 「今のところは……グリシオも捕まってくれているしの」

 「そうか」


 「姉様!」

 「ルース!」

 謁見の間へ来たヨシュアは、ルースを確認すると、走って行った。

 と、

 シュ……!

 なにかが、ヨシュアの足元に、


 「姫様!」

 それは、一本の矢。

 「これは……?放ったのは誰だ!」

 

 すると、ルースの座っていた、王座の後ろから、グリシオが出てきた。

 「王女様、待っていましたよ」

 「お前!そんなところで……いつからそんなに偉くなった?」

 そう言って、ヨシュアは、ふっと笑った。


 「おおっと、王女様。これ以上近づくと……」

 すると、グリシオは、ルースの首に短剣を当てた。


 謁見の間に、不穏な空気が充満した。


 「お前……、本当に、ばかになったようだな」

 ヨシュアがそう言うと、クッとグリシオは険しい顔へ変わった。

 「お、俺は、お前!お前が大嫌いだ!その、余裕のある態度がな!」


 短剣をルースに突き刺そうとした瞬間、


 シュ……!


 ドス!


 「うっ……!」

 グリシオの手に一本の矢が刺さった。

 

 「だ、誰だ!」

 「マーク!」

 後ろから、村男のマークが放ったのだ。


 それが合図になって、グリシオは他の兵隊に抑えられた。


 「クッ!お、俺は、王に……!」

 「なりたいのか?こんなものに。王とは大変な役目だ。お前にそれが務まるのか?」

 そう、ヨシュアは言った。

 

 

 そのあと、ルースは、ヨシュアに駆け寄った。

 「姉さま!良かった!本当に」

 「ルース、無事で何よりだ」


 そして、ヨシュアは表情を柔らかくして、言った。

 

 「王にはお前が良い。お父様の意見も、もっともだ」

 「姉様!しかし」

 ルースの肩を、とんっと叩いたヨシュアは、マークのもとへ行った。

 「私は、旅へ出る。そうしなければ、まとまるものもまとまらない」


 「姉様!僕は、こんな大役……」


 「大丈夫だ、私が静かに見守っている」


 そうして、王の座に、ルースはなった。


 ヨシュアは、マークと共に、旅へと旅立った。

 


 それが、彼女の出した答えだった。

 


 旅の間に、ルースの話を聞くことがある。

 その時、こういうのだ。


 「王は、健在だな」


 と……



     完

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