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脱出
「姫様!」
そう言って質素なヨシュアの部屋まで来たのは老将軍。
「カシ!来てくれたか。どうだ?外の様子は」
「姫様がいないと、ルースの家臣がうるさいのなんの」
「そうか……まだ、あれはないか?」
そう言われると、カシは首を振った。
「いや、そこまでは、まだです」
「そうか……監視、怠らないでくれ」
「はっ」
ヨシュアは、ここから出られる時が熟すのを待っている。
それは、何時になるのか……。
それは、意外に早かった。
「姫様!」
「カシ!」
「グリシオがついに謀反を起こしました!」
「そうか、ルースは大丈夫なのか?」
「はっ、姫様の命で、王子をかくまっていましたから」
「鍵は、あるか?」
「はっ、ここに」
牢獄の鍵をヨシュアに渡した。
カチャカチャ
ギィ……、
「さあ、行きましょう」
「みなは、外への階段でいけ、洞窟からは私一人で行く」
「なんと?本気ですか、姫」
「ああ、悪い。私にも考えあっての事なんだ」
しばらくすると、カシは首を縦に振った。




