ヨシュアの一日一善
「よし、これでいい」
木と木を繋いだ少女がそういう。
「ヨシュア姫様、ありがとうございます」
老木の修復を終えた初老の男性がありがたそうにお礼を言う。
「気にするな、私は、して当たり前の事だと思う」
そう言ったヨシュアは老人の肩を優しく叩いた。
彼女は、ヨシュア=ミランゼ。
アンドル星のミランゼ王室の第一王位継承者だ。
黒く、長い髪を三つ編みにし、それをお団子にまとめている。
はねっかえりな所が玉にきずだが、優しい心根の持ち主で、民にも好かれている。
彼女は、街によく行く。
今日もそれは一緒だった。
「マーク、どうだ?母親の具合は」
「ヨシュア、来てくれたのか!」
マークと言われた少年が王女を見て歓喜の声を上げた。
「私の薬、効いたか?」
そう、ヨシュアは恐々聞いた。マークは大きく頷いた。
「それはもう!具合は大分良いみたいだよ」
ヨシュアはほっと溜息。
「そうか……よかった」
「ヨシュア、本当にありがとう!恩に着るよ」
「いや、そんな」
ヨシュアは少し照れた。
「じゃあ、私は行くよ」
「うん、ありがとう、ヨシュア姫様」
大きく手を振って見送るマーク。
ヨシュア姫も手を時々振る。
「さあ、城に帰るか」
岐路に着いたヨシュア。




