第3話 初めての宇宙戦闘
すみません前回の話、話がループしているところがありました。
修正しましたのでよろしければご確認下さい。
スミマセンm(_ _)m
「魔導破壊砲、起動」
研究所を爆破するため、俺は最低出力で魔導破壊砲を起動させた。
機体先端がゆっくりと開き、内部から巨大な砲身が展開された。
白月の重力ドライブがうなりを上げ、そこから膨大な魔力が引き出されていくのがわかる。
重力ドライブから供給された魔力が砲身へと流れ込み、青白い光となって凝縮されていく。
光は脈動しながら、徐々にその密度を増していった。
「発射準備完了。……いくぞ」
「はい」
「発射!!」
掛け声と同時に操縦桿の引き金を引く。
瞬間、砲身に集約された魔力が青い閃光となって放たれた。
光は一直線に研究所のある小惑星へ突き進み、次の瞬間、凄まじい爆発が宇宙空間を照らし出した。
衝撃的な光が弾け、小惑星は粉々に砕け散る。
破片が四方へ飛び散り、周囲の小惑星に次々と衝突していく。
やがて、そこには細かな破片が漂うだけで、研究所の影も形も残っていなかった。
最低出力とはいえ、その威力は常識外れだった。
「これは……ヤバいな……」
「初射撃で最低出力、この威力とは……私も驚きました」
ハルカの言葉に、俺は思わず耳を疑った。
「えっ!! 射撃試験してないの!!」
「はい。計算上は重力ドライブの出力的に耐えられる設計なので」
「ou……」
魔導破壊砲の初射撃がこれだったことにも驚いたが、それ以上に、よほどのことがない限り二度と使うまいと心に誓った。
(……でも、こういうロマン兵器、大好き)
恐怖と興奮が入り混じる中で、俺の胸は妙に高鳴っていた。
「で、目的地は?」
俺がハルカに尋ねると、突然コックピット内に警告音が鳴り響いた。
〘ブッー……識別コード不明機体からのスキャンを確認しました〙
「うおっ!? びっくりしたな……何だ急に!」
「恐らく、先ほど話していた宇宙盗賊でしょう」
俺はすぐさま3Dで映し出される球体レーダーを確認する。
白月の右舷から三機の機体が急速にこちらへ接近していた。
同時に、手元のパネルに通知が表示される。
「……何か来た」
どうやらスキャンしてきた相手からの通信らしい。
俺は迷わず通信を開いた。
スクリーンに、いかにも盗賊といった厳つい男が映し出される。
〘よお、今の爆発はお前か?〙
「だったらどうする?」
〘まあいいや。命以外の物は全部置いてけ。あと隣の姉ちゃんもな〙
その言葉に、俺は少しだけ怒りが湧き上がった。俺は余りにも盗賊らしいセリフを吐く男にはっきりと答える。
「死ね、ゲスが!!」
俺は通信を即座に切り捨てた。
直後、白月の右舷に光学ビームが迫る。
「っとと……!」
俺は即座に機体を発進させ、敵の方へ旋回すると、そのままスラスターの出力を上げ敵機体がいる方へ加速する。
前方から数発のビームが飛んでくるが、白月の反応速度なら避けるのは容易だった。
「この程度、避けるのは簡単だな!!」
この瞬間、俺はゾクゾクし気持ちが高ぶっていた。ゲームやシミュレーターにはないリアル感があり、これは紛れもない現実だった。
『クソっ、ちょこまかと避けやがって!!』
俺は白月の光学ビーム砲四門を展開し、目前に迫る二機へ照準を合わせる。
「光学ビーム砲、発射!!」
白月から放たれた四発の光学ビームが敵機体のディフレクターシールドを一撃で消失させ、そのまま敵機体の装甲貫通し小さな爆発が起き二機を撃破する。
『一撃かよ!! クソが!! このままじゃやべえ……ここは撤退するに限る』
盗賊の男は白月の余りの火力に恐れて逃走しようと、重力ドライブへ急速にパワーを回し始めた。
「強すぎじゃない、この機体……」
白月の性能に驚きつつも、残る一機と交差した瞬間にスラスター出力をカット。慣性を殺して即座に反転し、敵の背後を完全に捉えた。俺は敵機体が逃走しようと重力ドライブを起動させているのを見逃さなかった。
「逃がすか!!」
俺がトリガーを引くと、放たれた光学ビームは敵機体のディフレクターシールドを瞬時に飽和させて消滅させると、そのまま敵機体のスラスターに直撃し抉り抜いた。
敵のスラスターが火を吹き、敵機体は姿勢を崩したが重力ドライブを起動していた敵は、そのままワープし、光の尾を残して消えた。
「……逃げられたか」
「そうですね。ですが初戦闘にしては良い成果ではないでしょうか」
ハルカは、戦闘後の静まり返ったコックピットで、いつも通り落ち着いた声を出した。
白月の内部には、まだ微かに戦闘の余韻が残っていた。
(クリスの言う通り逃げられたことは少し悔しいが……初戦闘にしては良いほうか)
「そうだな……良しとするか」
言葉にしてみると、胸の奥にあった気分の高揚が少しだけ抜けた気がした。
「では、盗賊の積荷と部品の回収をしましょう!」
ハルカは明るい声で言うが、俺はふと疑問に思い尋ねた。
「回収していいの?」
「はい、盗賊の積荷と部品は違法な物以外、回収しても構いません。盗賊が現れた頃を期に国際法で決まっていますから。むしろ傭兵などは、それで生計を立てているくらいです」
ハルカは淡々と説明したが、その横顔はどこか誇らしげにも見えた。
そして、この時代の常識すら分からない俺にとって、ハルカがこうして迷いなく説明してくれる姿は、どこか頼もしく感じられた。
「よし! 戦果の確認だ~~!」
俺はテンションマックスで、回収用の無人ロボットを数十機、宇宙空間へと放出した。
ハルカは回収した物の確認作業に入り、タブレット端末を素早く操作している。
俺は外部モニターに映る映像をじっと見つめた。
破壊された敵機の残骸を、無人ロボットたちが次々と回収していく。
モニターには、金属片、焦げた装甲、スラスターの破片など、様々な残骸が宇宙空間に漂っている様子が映し出されていた。
その光景を眺めながら、俺はふと物思いにふける。
この時代は、俺が作り出した。
その事実に罪悪感が胸を刺す。
だが、それ以上に、この先どう生きるべきか、どこへ向かうべきなのか……次々と考えが頭をよぎった。
そんなことを考えていると、無人ロボットが回収を終えたようで、ハルカが報告を始めた。
「マスター、回収作業が終わりました。」
ハルカの声がコックピットに柔らかく響く。
俺はその声に反応して振り向いた。
ハルカはタブレット端末を胸の前で抱え、いつもの落ち着いた表情でサブシートに座っていた。
俺はまるで宝箱を開ける直前の冒険者みたいに胸が高鳴り、椅子から身を乗り出す。
「どんな感じ!?」
自分でも驚くほど声が弾んでいた。
戦闘の緊張が抜けた反動か、それとも初めての戦利品に対する純粋なワクワクか。
ハルカはそんな俺の無邪気な表情を見て、ふっと口元を緩める。
彼女は小さく笑いながら、タブレットを軽く持ち直して答えた。
「ふふっ……では、順番にご説明しますね」
その笑顔は、どこか嬉しそうで、どこか誇らしげだった。
まるでマスターが楽しそうで良かったとでも言いたげに。
「まず、小型艦の重力ドライブのコア、これが2つで約1000万クレイドですね。マスターの生きていた時代の価値からすると大体1000万円ですね」
ハルカはタブレット端末を操作しながら、淡々と報告する。
「とんでもない価値だな……」
俺は余りの額に言葉が詰まる。ただ、この時代の物価がどうなっているのかも分からず、これが高いのか安いのか判断がつかなかった。
「あとは、小惑星帯で採取していた資源や身分を示すデータなどですね。」
ハルカは指先で画面をスライドしながら、次々と項目を読み上げていく。
鉄やニッケルなど馴染みのある資源もあるが、他は聞き慣れない名前ばかりで、どれが価値あるものなのか見当もつかない。
「身分を示すデータは何に使うんだ?」
「傭兵ギルドに提出することで報酬を受け取れます。傭兵ギルドの事は後で説明しますから」
ハルカは落ち着いた声で答える。
俺は気になったが、彼女が後で説明すると言うなら、今は待つしかない。
「で、これから何処に行くんだ?」
「ここから少し離れた場所にアイルン国の宇宙コロニーがあります」
そう言うとハルカはサブシートのモニターを操作し、コロニーの位置を示すマップを俺の画面に共有した。
俺は共有されたマップの座標を入力し、白月ののオートパイロットシステムを起動した。
〘オートパイロット起動〙
機械音声がコックピットに響き、操縦桿がゆっくりと自動で動き始める。
白月は滑らかに姿勢を変え、目的地の方向へと舵を取った。
重力ドライブが起動し、機体全体がわずかに震える。
次の瞬間、白月はワープへと移行した。
コックピットのモニター越しに見える景色が一変する。
無数の星々が線となって流れ、光の帯がいくつも重なり合っていく。
まるで宇宙そのものが川のように流れているかのようだった。
初めて見るその光景に、俺は思わず息を呑む。
(……綺麗だ)
言葉にならない感動が胸に広がった。
遅れてスミマセン次回の投稿は3月です。
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