対人戦
「話の早いやつは、好きだぞ。力もあるようだし、なんなら今から私達の元にこないか?王を引き渡すのであれば、私の方から王子に話を、通してやるぞ」
「おい、何いってんだお前?ここからは、力のぶつかり合いだろ?お前らが好きな力あるものが正義なんだから、言葉でなくその拳で語ろうぜ」
よし、ここまで挑発すればあっちも逃げることは出来ないだろう。それに、俺としては対人戦のレベルを上げるためには、ある程度強者と戦わなければ意味ないしな。やつのスキルも気になるものがあるしな。
「ふん、せっかくの誘いを断って後悔するんじゃないぞ、クソガキが。すぐに倒してその四肢を切り落としながら王の場所をきいてやる。その時には、お前の仲間の女もこちらで楽しんでからあの世に送ってやるから楽しみに待っていろ」
へーこいつは、絶対に許さないぞ。俺に、対してならなにを言っても良かったが、みんなに手を出す輩ならこっちから生きてることを後悔するまでボロボロにしてやる。
「いい目をするではないか、女に手をだされるのがそんなに気に触れたか?まーいい、ほらかかってこい」
俺は、怒りで勢いのまま突っ込むつもりだったが、影の中からリルの気配を感じ冷静になった。リルも影の中から怒っており、いつ出てきてもおかしくない感じだった。自分よりキレてるやつを見ると本当に冷静になるもんなんだな。
俺は、リルに大丈夫だと伝えると静かになってくれた。
今回は、モンスターとの戦いでは無いので基本的には双剣のみの状態で戦うつもりだ。形態変化は、強すぎて戦闘スキルを、上げるには向いていない。
「じゃっお言葉に甘えて行かせてもらおうかな」
レオナルドはその背に背負ってる大剣を構えて、こちらに殺気を放ってくる。ビリビリと空気が震えるような感覚に陥る。
「ふんこの程度の殺気、戦場では生温いそよ風と変わらぬぞ。モンスター相手ならやれたんだろうが、まだまだ対人戦は経験が少ないと見えるな」
まったくそのとおりだが、いちいち反応していてはキリがないので気を引き締め直し一気に詰め寄り右から横に剣を振り抜きその勢いのまま回転切り以降する。
レオナルドは半歩だけ下がり剣が当たらない絶妙な距離でこちらを観察している。
回転切りを避けられたが勢いは乗っているのでそのまま連続攻撃を、繰り出していく。
右から左はもちろん、時には下から切り上げ、突き、やつの死角に移動してからの切り下ろしをするがどれもすべてギリギリで躱されてしまった。
「なかなかやるではないか、しかし惜しいな。お前の双剣の腕前は確かに悪くないがまだまだ素人を抜けた程度、そのスピードでギリギリ一人前手前程度の実力、どれ本当の剣の使い方を見せてやろう」
ちょっと待てまじで強いじゃねーかよ、確かにこちらとしてはまだまだ手札はあるけどそれにしても、本当に強いんだな。
だけど強いのは歓迎だ、この人を乗り越えて俺は、もう一歩先の強さに駆け上がってやる




