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結城由紀の日常  作者: そらいろさくら
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結城由紀に早起きはできるか?


結城由紀は今日も今日とてゲームをしていた。


スマホが鳴ったので見てみると、綾子からメッセージが届いていた。


『早く寝なさい』


時刻は午前零時。どうしてまだ起きていると分かったのだろう、と一瞬考えたが分かって当然だろう。

いつものことなのだ。


『あとちょっとだけ』


送り返すとすぐに返ってきた。


『早く寝なさい』


一言一句同じ言葉。譲る気はないようだ。


ママみたい。と思ったが素直に寝ることにした。


★★★  ★★★  ★★★  ★★★  ★★★  ★★★  ★★★    

翌朝。


目が覚めると、いつもより2時間も早い時間だった。


爽快な気分で不思議と眠気もない。心のなかで綾子に「ありがとう」とつぶやいて顔を洗い、支度をした。


学校に着くと始業の30分前だった。


始業10分前になると綾子が教室にやって来た。


「おはよう!」と声をかけると、綾子は驚いたように目をまるくしていてなんだか愉快な気持ちになった。


「え。どうしたの?由紀がもう登校してるなんて」


「失礼な。あたしだってたまには早起きくらいするよ」


「もしかして私のメッセージを読んですぐに寝たの?」


「そうだよ」


「えらい‼あんたはもうだめだと思ってたけど、やればできるんだね」


綾子はそう言うと、ひしと抱き着いてきた。


「ちょ、やめてよ。ってかもうだめだと思われてたんだ、あたし」


「そりゃそうでしょ。毎朝言っても聞かないんだから」


「でも、早起きしてよかったよ。なんかサイコーな気分だった」


「そうでしょう、そうでしょう。これからは毎日早起きできるね!」


「うん」


そんな風に思ってた時期があたしにもありました。


★★★  ★★★  ★★★  ★★★  ★★★  ★★★  ★★★ 

翌朝。


「ちこく、ちこく~」


どこかの少女マンガの主人公みたいにパンをくわえながら走る由紀はしかし、イケメン転校生とぶつかることはなく。おかげで、遅刻もすることなく、いつものようにギリギリ登校と相成ったのである。


綾子にきつく叱られたのは言うまでもない。


「てかイケメン転校生との出会いがなかったのはくわえてたのがフランスパンだったから?」


としょうもないことを口走ったら、もっと叱られた

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