プロローグ的ななにか
初めて投稿します。よろしくお願いします。
このままじゃ間に合わない。
結城由紀は息を切らせながらも足を止めない。
由紀が教室に入ると同時にチャイムが鳴った。
どうやら間に合ったようだ。
自分の席に着いて息を整えていると、前の席の宮田綾子が声をかけてきた。
「由紀、遅い。また遅くまでゲームでもしてた?」
「まーね。そのために生きてるよーなもんだし」
「出た。ダメ人間発言」
「うっさい、ゲーマー馬鹿にすんなし」
「ゲーマーを馬鹿にしてるんじゃなくて、ゲームに没頭するあまり、日常生活に支障をきたしてる由紀を馬鹿にしてるの」
「うぐっ」
由紀はぐうの音も出ず黙り込んでしまう。
「それはさておき」
綾子は由紀の旗色が悪くなったのを察してか、話題を変えてくれる。さっすが親友。
「今日の英語の和訳、由紀が当てられてたけど、ちゃんとやってるの?」
と思ったら追い打ちを食らわされた。
「やってない……みせて」
「ダメ、自分でやらないと意味ないでしょ……って言いたいところだけど。しょうがないわね今回だけよ」
「さっすが綾子。持つべきものは親友だね!」
そう言い放つ由紀にやれやれとばかり、ため息をついた綾子はノートをそっと差し出したのだった。